第12話 結局は行き当たりばったり

事情は大体説明された。


まぁ跡継ぎ争いのごたごたの為に召喚されたらしい。


正直このまま東の帝国を目指すのがいいんじゃないか、とは思う。


学園とやらもあるしな。


正直【器】で銃を出すと他の転生者に見られたらまずい…かもしれないだけで使うんですけどね。


なんで使っちゃダメなんですか。使わないとどうしようも無くないですか?


…まぁ。銃が果たして効くかどうかは別だけど…いざとなれば【器】で何か再現すればいいだろう。


正直立体機動装置やらバイクやら深淵の監視者スタイルやらはロマンだ…確かに使えるとは思うが…。変に目立つことになるし、銃に比べて安定性もない。


あの変な予言もどき?もだが、目立つなと言っていた。つまり、この世界でも有り得る物が推奨されるのだ。


やはり戦うとしたら銃かナイフ。これが安定だろう。


「なぁ、お姫様」


「なんで御座いましょう?」


「あー…そうだな、この世界に銃ってあるか?」


「銃…? ああ、ライフルのことですかね?

【器】の勇士さんは東の帝国に近い言い方をしますね」


「あぁ、そうなのかもな…なら、こんなのはあるか?」


俺は手の中にMP5を出す。…正直、こんなのがぽんぽんあるなら俺はいよいよFPSゲームのレールガンとかを出さなきゃ行けなくなる。


最近迷作ばかりのあのゲームのレールガンとか。


…まぁ話を戻そう。


…相手の反応を見るにこのレベルの銃は無さそうだ。多分、このレベルではない。


「これがライフル、ですか…?」


MP5を持ち上げしげしげと見つめるお姫様。


「ふむ…ここのライフルっていうのはどんな感じだ?」


「ああ、少々お待ちください…ごめんなさい、ライフルを一挺持ってきてくださる?」


後ろの騎士にお姫様が言う。…騎士は盾と…腰に剣?…この世界の銃は威力不足か未発展なのか…少なくともあの時【魔術】には効果がなかった。


いやあれは祭壇があったからだけども…。


そもそも勇士自体がトップレベルと聞いているし…だからこの世界の者に効果がないとは一概には言えないけども…実力者にはあまり効果が無いかもしれない。


まぁ行き当たりばったりだ。そうしよう。

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