第8話 発症

「想像次第で、か」


手の中には、練習し始めたファイブセブンがある。


P90と同じライフル弾を使用するハンドガンだ。


他にもG42…これはグロックシリーズ最小のハンドガンだ。小型のG26を更に小型化したやつ。


拳銃はいつもひとつは持っていたいからな。秘匿性も合わせて採用した。


あとは…対物ライフル辺りか?


まぁバレットでいいだろう。


ただ、気にかかるのは「【器】はもっと自由度が高い」という点だ。


いや、わかるには分かる。


つまり漫画やアニメの「表現」だけじゃないんだ。そこで出てくる「物質」さえも表せる…のか?


例えば、空を飛び回り刃を振るい巨人のうなじを切り飛ばすあれとか。


例えば、ある程度敵をキルすると使えるキルストリークとか足音を出さなくなるパッシブスキルとか。


例えば、願いを叶える杯を奪い合う為に過去の英雄を召喚したりするあれとか。


例えば、心を体現して傍に現れるあれとか、吸血鬼になれる例の仮面とか、究極生命体になるための赤石とか。


異世界物によくある無限に入る亜空間とか、袋とか。


…でも、そんなこと出来るのだろうか。


その後は召喚出来るものの重さの制限を測ってみた。実験に使ったのは「カワサキ・ニンジャH2」。


バイクには疎い俺だが、唯一買ったバイクがこれだった。…そういえば、そんなに乗らずにこんなことになったな。確か一目惚れで、逆輸入してでも買ったんだっけか。


そこまで現実には悔いはない。悔やめるものなんてもう大体無かった。


まぁ話を戻そう。重さは大体240キロ。燃料抜きでだ。


結果を話すと…8台出せた。だが出しすぎると疲労が溜まる。


8台目を出す時なんか冷や汗どばどば、吐き気がした。


収納したら症状は収まったから、出してる量で発症するんじゃないかと思う。


他にもやってみたが、「表面積」等ではなく「質量」で決まるみたいだ。


重さは大体2トンで発症する。


…まぁ10年ある。まだまだ研鑽を深められるだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る