第2話
目を背けることは許されない。
それは自分が望んだことだった。
だから目を背けることだけは許されない。
例えそれがどんな見るに耐えない悲劇であったとしても……
誰でもなく、自身がそれを許せない。
だから見つめる。
痛みに悲鳴を上げる心を持って、見つめ続ける。
それは勇者と魔王の物語。
それは人間と魔族の物語。
それは多くの悲劇を経て紡がれる英雄譚。
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