阿弖流為復活

復活した上毛野田道を見て、奥羽は今でも蝦夷の末裔に支持されるカリスマ酋長を復活させた。

阿弖流為アテルイそして母礼モレである。

上毛野田道という驚異に対して東北は阿弖流為に母礼という安全装置を起動させたのである。

ロボットと化した田道と異なり、阿弖流為と母礼は異空間で霊的存在として蘇った。

「阿弖流為、アレは!?」

「間違いない!上毛野田道だ!」

「俺や田村麻呂が生まれるより遥か前に牡鹿郡(石巻市)まで来たと聞く。まだ理知的で冷静な田村麻呂の方がマシだ」

「俺たちはどの様にしてあの毒龍に抗えば良い?」

「かつて田村麻呂が奥羽各地に潜む鬼を殲滅する為にロボット兵器「メタルクベーラ」を開発した。そこで今回はそのメタルクベータを基に、東北地方の乗り物をモデルにしたロボット兵器「エミシノイド」を作り、抵抗しようと思う!」

「エミシ…ノイドだと…?」

阿弖流為は手をかざすと異空間への入り口を作った。


秋田県内の羽越本線の線路上に同じく円形の異空間への入り口が出現。

EF81形電気機関車が24系客車を牽引する臨時寝台特急「あけぼの」号が緊急停車することなく全編成がそのまま異空間へ引き込まれてしまった。


同じく岩手県釜石線で走行中の「SL銀河」を牽引するC58型蒸気機関車&キハ141系気動車が、多数の撮り鉄や見物人達が目撃する中、同様に目の前に現れた円形の異空間に全編成が引き込まれてしまった。


秋田県秋田市秋田港駅構内では24系客車の電源車を牽引するDE10型ディーゼル機関車が走行していたが、本線に電源車を押し出して入線した瞬間、円形の異空間への入り口が現れ、そのまま機体を異空間へ引き込んでしまう。


異空間

阿弖流為は6機の乗り物を集めると手から六つの光の球を取り出し、それを引き込んだ6機の乗り物に一球ずつ隅々まで通してスキャンした。

すると光の球は通った乗り物そのものに変化した。

「これでよし…」

「阿弖流為…?」

阿弖流為は異空間に引き込んだそれぞれの乗り物を異空間への入り口からそれぞれの場所に戻して行った。

「これでエミシノイドは完成した。あとは、このエミシノイドと共に田道と戦ってくれる「蝦夷の巫女」を探し出さねばならぬ…」

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