奥羽の守護神エミシオン
京城香龍
序章
上毛野田道復活
青森県平川市猿賀に鎮座する猿賀神社。
奥州猿賀深砂大権現として蛇の神様が祀られているとされている津軽の名社だが、その実態は坂上田村麻呂より先に、一番最初に蝦夷を討伐し蝦夷に撃たれ敗れた鎮東将軍(征夷大将軍の称号が正式に使われ始めたのは奈良時代末期であり、それまでは単に“将軍”か“○○将軍”と自称していた)「
何故ならば田道の蝦夷への憎しみは田村麻呂以上で、
「吾死しても毒蛇となりて蝦夷を滅ぼさん」
と遺言し果てたと伝えられている。
しかし一部の心無い蝦夷が埋伏品目当てに墓を暴いたところ、棺桶からは毒蛇が現れ、悪心を持った蝦夷を咬み殺してしまった。
鹿角の蝦夷は田道の祟りを恐れ、その時に現れた白馬の導きに従い、津軽の地に遷座したと言う。
その際にさらに墓が暴かれないように安全装置として深沙大将が合祀され、神仏混交の「奥州猿賀深砂大権現」という名の封印が為されたのであった。
その安全装置が、壊れた…
-ゴゴゴ
猿賀神社一帯は揺れ始め、猿賀神社の御神体、即ち上毛野田道の墓から巨大な毒蛇…いや、ロボットと化した巨大な鋼の龍が本殿を破壊して天空に舞い上がった。
-ドゴォ
-ドガァン
「ハーハッハッハッハッ」
「我は鎮東将軍上毛野田道也!奥羽の蝦夷らの負の力を喰ろうて力にした上、田村麻呂の妻、立烏帽子とやらより、鋼の肉体「ロボット」として蘇る術も手に入れたワシは、今こそ復讐するぞ!蝦夷を、陸奥を、出羽を、皆殺しにしてくれるわ!」
「カーッカッカッカッカッ」
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