1.俺はお前を認めない
二ヶ月前から結構真剣に小説を書いてるのですが、いきなり
「小説を書きました! 読んでください!」
って言ってもきっと気持ち悪がって誰も読んでくれないと思うので、エッセイのようなもので少しでも僕や僕が書いたものに興味を持っていただきたく、こうして万年筆を舐め舐め文章をしたためている次第であります。嘘です。いきなり嘘をつきました。iPadで書いてます。iPad舐めてます。これから舐めます。舐めません。ごめんなさい。
「小説を書きました! 読んでください!」
って僕が言ったら
「いっすよ! 読む前からアレですけど最高ですね! 超面白いっす!」
って言ってくれる天使のような悪魔の人もちょっとお付き合いいただければと思います。よろしくお願い申し上げます。
文章力って何だろう?
僕は文章が好きだ。
文章っていう漢字すら好きです。
将来、文章を書いてご飯を食べたり冷たいコーラが飲めたらいいなって思ってます。
……文章っていう漢字をひたすら書いて生計を立てるって意味じゃないですよ?
そういう一年を一文字で表す坊主、みたいな職業じゃないです。
こうやって、誰かに読んで貰って、「面白いな」「楽しいな」って思ってくれた人からカンパを募って生きていきたいと思っているんです。そういうのって最高ですよね。
でも、実際僕はしがない小売業に勤める契約社員であるし、文章を書かなくても慎ましい生活であればやっていける。四十代になって、本気の本気、マジのガチで文章を書く人なんて滅多にないんじゃないかと想像しています。書かなくても、テレビのチャンネルを回せばダウンタウンとかすげー面白いし、石原さとみは可愛いし、トイストーリーとか観たら最高じゃないですか。あれだけ面白かったら、もういいじゃないですか。
もういいじゃないですか、ってなんだ。
でも、そうですよね?
もういいじゃないですか。
誰かが楽しいの考えてくれるし、観て感動して面白かったら人生充実するじゃないですか。……ちょっとだけ「チッ、商業主義乙」とか思いながらね。そういう反骨すら織り込み済みで「面白い」って思うように作られてるんだと思います。
でも、俺はお前を認めない。
あ、違うんですそうじゃないんです。
言ってみたらカッコいいかなって思って。
そもそもその題名だって、人目を引く為に付けたものですから。
俺はお前を認めないって、誰かに喧嘩売ってるみたいで気になるじゃないですか。人の喧嘩を見るのは楽しい。ツイッターでは、みんないつも喧嘩してます。見てて楽しい喧嘩もあるし、不毛過ぎるものもある。だいたい不毛です。僕はまだ髪の毛はありますが、きっと時間の問題です。母方の祖父が禿げてるので。
文章力って何?
一度、会議のようなものをまとめる文章を書く係をやった事がありました。議事録でもなくて、人が言った意見を丸めて、誰が読んでもわかるような報告書に取りまとめる。誰が読んでもわかるようにする、って言うのは意外と曲者で、読む相手をド素人として文章を書いていく。意見を上げた人にその意図を確認したり、上げた結果としてどうしたいのか? どうすればその人は幸せになるのか? というような事を考えながら書いた。そうするとモヨモヨとした霧が晴れていって、ババーンと現れるイノシシ。まあ大体猫とかバッタとか、動物ですらなかったりして。缶からとか。
でも、そういう作業は意外と楽しかった。この人は何を言いたいのだろう? という事を考えながら、実情と改善策とその結果として何がどうなるか? 実に実務な感じが好きだった。ちょっと自分が頭が良くなった気持ちも味わえた。大体上の人の赤ペンが入りまくって「お亡くなりになって下さい」と真剣に思う事になるのだけど。あ、平たく言えば「死ね」って思うんですけど、まあそれはそれ。自分が得られる気持ちが大事だと思います。不毛だろうが、楽しけりゃいい。でも、あいつは絶対に許さない(突然の真顔)
事実をブレ無くしっかりと書き留める文章力。
大切なんだと思います。
そういった作業をしばらく続けていくと、①物事を正確に②誰にでも分かりやすく③簡潔に文章にまとめる為には、想像力に蓋をする事が最も手っ取り早い事に気が付いた。想像力は必要な文章を端折ったりさせる。
喉が渇いたと人が言う。じゃあ水が飲みたいんだな、と想像する。
違う、水じゃなくて、コップが欲しい。水は有るから汲むコップが欲しいと言う。
犬が飼いたいと言う。寂しいのかな、と想像する。
防犯上の理由で犬が欲しい。虎やライオンでも可、と言う。
想像力を一時的にオフにする事が、結果として一番物事を明らかにする近道だった気がする。自分をゼロにする事、単なる事実を通過させる通り道に過ぎないと思い込むこと。考えてみれば、事実をそのまま書くのに僕の主観や想像は必要なかった。僕は判断する側ではなく、誰かが判断する為の写真を撮るに過ぎない、現場保全要員の一人に過ぎなかったのだ。無駄なアングル角度や、逆光は必要ない。それらは、事実を捻じ曲げる。そんなの、当たり前のことだったのかも知れない。でも、これは辛かった。想像しちゃうじゃん。楽しいじゃん。大人だって「想像力を持ちましょう」って言ってるじゃん。想像力を働かせて先回りして何かやっておくって、気持ちいいじゃん。それをOFFにする事が何かしらの解決への近道だなんておかしい。耐えられない。
だから、俺はお前を認めない。
想像力を殺す日常や事実や、嘲笑や罵声や金や差別や限界や諦めを、ついでに厚生年金と所得税と自治会費も、朝電車に乗ろうとすると必ず俺の前から横入りするババアを絶対に認めない。
あ、何となく書いただけです。
題名、カッコいいなって思って。
俺はお前を認めない、口に出して言ったことありますか?
一度、言ってみて下さい。すごく気持ち良いですよ。
鏡に向かって練習してみて下さいね。
鏡が一番、オススメです。
リアルで誰かに言っちゃ、ダメですよ。
せーのっ
「おれは おまえを みとめないっ!」
文章力って何?
最後まで読んでくれてありがとうってこった。言わせんな恥ずかしい。
※2019年4月25日改稿
【コメント】
◆想像する余力を潰されないようにしたいです💫なかなかに強敵ばかりですが、うまく流していきたい🏄♀️✨じゃないと飲み込まれちゃう楽しげなツイートすら書けない🙄‼️と思いました✌️🐱✨突然の真顔好きです😐
◇コメントありがとうございます!
強敵は多いですよね。家族を背負い後には引けない社会戦士達に太刀打ち何か出来ません。ホイっと自分が一歩引いて道を譲るのが一番楽ではあるけれど、難しいんですよね。軽くいなしていきましょう(破顔)
江戸川台ルーペ 2019年4月26日 07:50 編集
◇良いですね。こういう文を書ける人になりたいと常日頃思っています。
◆ありがとうございますー!
めちゃ嬉しい。
江戸川台ルーペ 2018年9月13日 12:28 編集
◇おもしろい。リズムがあって読ませる、すごい上手い文章を書かれますね。
あと、段落の最初の下げがないなと思ったんですが、カクヨムの機能で「文頭一字下げ」できますよ。わざとだったらいいんですけど、もしあれだったら、お試しあれ。iPadのキーボードは文頭下げできないんですよね。
◆お褒めの言葉ありがとうございます!
これ、まだ最初の頃に書き始めたやつで、カクヨムの機能を理解してなかった時に書いたんです。書いてるテンションもなんか、自分で言うのも何ですけど酔っ払ってるみたいで恥ずかしいです。全十回エッセイのうちの途中から、文頭一文字下げを使い始めてると思います。ルビを振る機能も途中から使い始めました。カクヨムってすごい。読んでいただき、ありがとうございます!
レビュー☆13
★★★ Excellent!!! 【タグに厚生年金があるんだが】
厚生年金はいい。厚生年金基金、厚生年金基金第二掛金まで収めてたから、老後はがっぽりリターンあるよな、と思っていた27年位前の自分、めでてえな。
同時に、何となく文章書いて、匿名でも褒められて、見つけてもらって「クフクフ、売れてるけどあの作家実は私なのよね」とクフ王の笑いを浮かべていることを夢想することのある現在の私よ。
何時からお前は、若き頃一番なりたくなかった年寄り象のままになってしまったのか。
俺はお前を認めない
でも俺はちょっぴり認められたい。
そんな煩悩を発揮した粋な文章。(意味不明で本当に申し訳ない。書きなおそうかな←
2019年4月25日 15:55
集計期間: 2018年4月25日 21:02 〜 2020年2月15日 06:34
❤️21 👁113
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