【エッセイ集】空気の中から取り出した名無しの感情
江戸川台ルーペ
はしがき
カクヨムを始めてもうすぐ二年になろうとしている。
最初に書いた長編小説【空気の中に変なものを】をカクヨムに投稿するにあたって、十編のエッセイを書いた。これは生まれて初めて長い小説を書いている、という熱ぼったいところに自分があって、僕が扱える文章を試し斬りしてみたいという欲求もあったし、初めましてのカクヨムの方々に自分自身を開示して、僕に興味を持ってもらいたいというところもあった。
今となってはそのようなエッセイごときで僕に興味を持ってくれる「神・仏」のような読者様がいらっしゃる訳がないと
エッセイは小説の第一章、五万八千文字が書き終わり、推敲を重ねてもキリがないので、2018年五月五日に投稿しようと決めて、逆算して十日連続で書いた。カクヨムにはたくさん文章を書く方がいらっしゃるので、十日連続でエッセイを書くなど楽チンだと思われるかも知れない。僕も当時そう思っていた。頭がおかしかったから。でもね、毎日エッセイなんてとても書けないですよ、普通は。
案の定、五日を過ぎたあたりから「むむ、これはシンドイかもしれんぞ」と正気を失い、互い違いになった目をパチクリしながら思い始め、でも宣言をした手前、息も絶え絶えになりながら最後までやりきった。その時はカクヨムに知り合いや繋がりもなかったし、「面倒くせえからやっぱ五回で終了(^ ^)v」などと適当にやっても良かったと思うのだけど、そこは妙に律儀な性格と、長編を書く事によるいい感じの宇宙すら凌駕し得る意識の拡大が合わさって、死にながら書き終えたものである。 ──であるって書くタイプのもの書きなので申し訳ない。
幸い、僕は書く事を続けているので、ここ神サイト『カクヨム』でのタイトル数がずいぶんと多くなってきてしまった。とりわけ、勢いで書いた十篇のエッセイが一つずつ表題を得て☆を獲得するという現状であって、もちろん嬉しく、光栄な事ではあったのだけど、カクヨムコン5の際にはエントリー作品が埋もれてしまう事態も考慮して、PVが少ないエッセイを下書きに戻したりもした。
長編の二作目【文学性の女】をエントリーしたカクヨムコン5の読者選考期間も終わり、読んだり観たりする期間にここで一旦整理整頓を試みようと思う。具体的には、【空気の中に変なものを】の為のエッセイをひとまとめにしてしまおうという事だ。せっかく頂戴したありがたいコメント及び星数やレビューは、各エッセイの末尾に転載させていただく事にした。
ルールとして、コメントなどを転載する際に、お名前は伏せさせていただく事にした。インターネットの海にあって、
また、エッセイ【失敗した失敗した失敗した】については反響が一際大きく、カクヨムでモノを書く方々にささやかながらも、勇気や自信を取り戻していただける機会となる可能性を持つ文章であり、独立して残す事にした(こういう事を自分で言っちゃうタイプの物書きで申し訳ない)迷ったけど、この本編にもコピペをして貼っておこうと思う。初めましての方がエッセイから先に味見をする、というのは意外とあるんじゃないかな、と僕は思っている。人が書くエッセイって面白い! 『素人の何者でもないエッセイなんか存在価値がない』というのは時々聞くけど、少なくとも書く人にとっては書く事で考えがまとまっていくし、読む者は上手くすればその思考を辿っていく事ができる。その足跡を辿りながら自分の中で異論・反論・objection!を開催すれば、何かしらの気付きやネタの発端になる事もよくある。存在価値がないなどと強い言葉でいちいち口に出して言わないといけない理由は何だろう、と考えると、きっと後ろ向きな話になっちゃうので、黙って犬を撫でる妄想に耽った方が禍根を残さなくて済んでいいと思う。
まとめるにあたって、あまりにひどいのは加筆修正をしていきたいと思います。完璧な上書きなので、オリジナルは無くなってしまうけれど、そこもwebの良い所だと捉えて潔く手放していきたい。過去に固執しない(単に忘れっぽいだけ) 僕が尊敬する作家たちは、文章は「書き直せば書き直す程、必ず良くなる」と断言している。必ずってすごくないですか? この世の中に100%って、マクドナルドのビーフ以外にある?
本当に、書くって面白い。
お暇な際に読んでいただけると嬉しい。
2020年2月
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