士官学校篇

第6話 前座

「選べ」

小鳥遊結城は決断を迫る。

目の前におかれているのは二丁の銃。それが何を表しているのかわからないほど、鈍くはなかった。

「生か、死か」

いっそ鈍いままであれば良かったのか。

鈍くて、まぬけで、平凡陳腐な人間のままであれば―――

決断の時間は刻一刻と迫っていた。

小鳥遊結城は何も言わない。

神様、もしも居るのなら――このくそったれな世界を嘆く優しさがあるのなら、教えてくれ。

俺の未来に、希望なんてあるのか?

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