第24話【怪物】

スメーの部屋に向かう一行。

スメーの部屋のドアを開けるチーオヤ。


「!?」


ハシモトは即座に後ろに下がった。


「ど、 如何しましたハシモトさん?」

「ちょ、 一回閉めて!!」


ドアが閉められる。

ハシモトの額には脂汗が滲み出ていた。


「そ、 そんなに危ない霊が憑りついて居ましたか!?」

「いや・・・・・これはもう危険過ぎる、 意味が分からない」

「意味が分からない?」

「霊格が高い、 とかそういう次元じゃなく何というか・・・霊じゃない」

「霊じゃない?」

「何というか・・・あれは別の何か・・・」

「そ、 それじゃあ除霊は出来ない?」

「色々伝手は探してみますが厳しいかもしれません・・・

一応色々と考えてみますので今日は一旦事務所に帰って作戦を練ろうと思います」

「わ、 分かりました」


ハシモトはその日は事務所に帰った。

事務所に帰って来るなり疲れた様子で椅子にどっしりと座るハシモト。


「・・・・・参ったなぁ・・・」

「ハシモトさん、 あの子供に憑りついている・・・霊?

いや霊じゃ無かったんでしたっけ、 除霊は出来るのですか?」


ニコが不安そうにハシモトに尋ねる。


「今回の一件は非霊的憑依事案と言うケースにあたる」

「何ですかそれ」

「霊じゃなくても憑依は可能なんですよ」

「そうなの?」

「狐憑きとかそういうのも有る・・・或は神格とか」

「神格って・・・神様?」

「無くは無い話・・・極めて稀だが・・・」

「神様が相手って・・・大丈夫ですか?」

「まずは正体を知らなければならない

ここは調査チームを発足するのが先決だろうな」

「調査チーム?」

「私の人脈を駆使してスメー嬢に憑りついている物の正体を明らかにして対応を決める

お金はかかるが相手は男爵、 お金の問題は無いだろう」

「な、 なるほど・・・」

「それじゃあちょっとお使いに行って来て貰えるか?」

「お使い?」

「便箋が足りないから買って来て

後男爵に提出するこれからの方針の計画書を書かなくてはならない」

「計画書?」

「見積書と言った方が正確か

流石に大勢呼んでおいて報酬が支払えませんと言う事になったら事だしね」

「なるほど・・・じゃあ便箋を買って来ます」


ニコは外に出た。


「・・・待ってろよ化け物、 お前を追い払ってくれる」


ハシモトは固く決意した。


―――――――――――――――――――――――――――――


【登場人物紹介】

ハハー

おっとりしている男爵夫人

栗色の髪の毛が特徴的な中年女性

平々凡々の貴族婦人、趣味はジョギング

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