第23話【父と母】
貴族の邸宅に招かれたハシモトとニコ。
今回の依頼人のチーオヤ男爵とハハー婦人と対面する。
「それで男爵、 今回の見て欲しいと言うのは」
「私の娘のスメーを見て欲しいのです」
「そうですか、 それでそのスメー嬢はどちらに?」
「今は眠っている様です」
「眠っている?」
「えぇ、 世話役も手を焼いておりまして」
「???」
首を傾げるハシモト。
「えーっと・・・そのスメー嬢はおいくつですか?」
「生後2ヶ月です」
「2ヶ月?・・・それでどの様な影響が出ていますか?」
「影響?」
「何かしら霊の仕業だと思う事柄が有るから私を呼んだのでは?」
「実は・・・娘を生んだ時から何かに憑りつかれているのでは無いか
と思っておりまして・・・」
「はぁ?」
チーオヤは話し始めた。
スメーは自分達とはかけ離れた異様な髪の色をしており
何故か見た目が良い男以外に世話をされると泣き喚く。
そんな特徴が有るのだと言う。
「・・・・・あのですね男爵、 御言葉ですが・・・」
言い難そうにするハシモト。
「どうぞ、 言って下さい」
「では言いますが・・・髪の毛の色が違うって、 それは普通に奥方の浮気では?」
「な、 何を言うのですか!!」
声を荒げるハハー。
「疑問は御尤も、 私も普通ならそう思ったかもしれない
だがしかしハシモトさん、 貴方はショッキングピンクの髪の毛と言うのを見た事が有りますか?」
「ショッキングピンクの髪の毛?」
顔をしかめるハシモト。
「・・・御令嬢の髪の毛がショッキングピンク?」
「えぇ・・・私はこれまで人間で髪の毛がショッキングピンクと言うのを見た事が有りません
これはもう何らかに祟られているとしか思えないのです」
「確かに稀有な・・・と言うか聞いた事ない髪の毛ですけども・・・」
「見た目が良い男以外には育てられてくないと言う行動も異常ですし・・・」
「うーん・・・一度御嬢さんを見て見ない事には分かりませんね」
「はい、 では一度見て貰って宜しいでしょうか」
「分かりました、 行きましょう」
立ち上がるハシモト、 この時ハシモトはまだ警戒は全くしていなかった。
髪の毛がショッキングピンクになるのは初めての経験だが
もしも霊が憑いていたとしても大した事が無いと思っていたのだ。
しかし彼の思惑は外れる事になる。
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【登場人物紹介】
チーオヤ
男爵をしている中年男性
カイゼル髭が特徴的で特に優秀な所も無いが劣っている所も無い
平々凡々な貴族、趣味はボトルシップ作り
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