第22話【大富豪・後日談】
「とりあえずフーゴさん、 貴方ここに行ってみて下さい」
黒装束を脱いだハシモトは一枚の名刺を差し出した。
そこには『心霊研究家 キュウ』と書かれ住所も記載されていた。
「これは?」
「私の知り合いの心霊研究家です
先も言いましたが今回の一件は非常に珍しいレアケース
貴方自身の体質も関係しているかもしれません」
「つまり?」
「今度も憑依される可能性がゼロとは言い難いのです
そこでこのキュウ教授の所に行って検査を受けるのが良いと思います」
「検査ですか・・・何だか病院みたいですね」
「まぁイメージとは違うでしょうが・・・霊に対するアプローチは色々有ります
こういう学問の様な形でのアプローチも有ると言う事ですよ」
「なるほど・・・今度行ってみます」
こうしてその日はその場で解散となった。
後日、 ハシモトの事務所で頭を抱えながらパンを咥えるハシモト。
「う~もぐもぐ」
「如何したんですか?」
ニコが見かねて尋ねる。
「金欠だ」
「金欠って・・・この間、 フーゴさんからお金は貰ったんでしょう?」
「滞納していた家賃で全て吹き飛んだ」
「どれだけ滞納していたんですか・・・あ、そうそう、 お手紙来てましたよ」
「手紙・・・キュウ教授からか」
手紙の封を開けるハシモト。
「・・・・・・・・・ふーん」
「如何しました?」
「フーゴさんの件についての感謝の言葉だって」
「感謝?」
「フーゴさんには特異な霊媒体質的な物が備わっているらしい」
「・・・つまり?」
「カイキューとの一件はその霊媒体質が密に関わっていると言う事ですよ」
ぽいと手紙を放るハシモト。
「霊についての研究が進むのは良いけどもそれで御礼の手紙だけじゃなくて
御礼の金一封とかくれたら良いのになぁ・・・」
「何か手紙の他にも入っているみたいですが・・・」
「あぁそれオリジナルステッカー」
「オリジナルステッカーって・・・何故?」
「キャンペーンの一環で作ったらしい、 大量に余っているから何かにつけて
送って来るんだよ、 オリジナル饅頭の方が好きだったのに」
「本当に何をやっている人なんですか?」
「それは人物紹介でやってくれるから説明は省く」
「人物紹介? 一体何を言っているんですかハシモトさん?」
首を傾げるニコであった。
――――――――――――――――――
【登場人物紹介】
キュウ
心霊研究家、大学教授もしており教鞭も取っている
ハシモトの恩師の同僚、色々な事業にも手を出しており
色々と手広くやっている
サンプル収集の為に色々なキャンペーングッズを作っているが不評である
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