第15話【大富豪・その5】

控室で待っているとフーゴがやって来た。


「どうも・・・フーゴです」

「ハシモトです、 こっちは助手のニコ」

「どうもー・・・」

「とりあえず、 私の家で話しましょうか」

「分かりました」


フーゴの案内でフーゴの家に向かう三人。

フーゴの家は国内トップ大富豪プレイヤーの一人としてはこじんまりとした家だった。


「ここですか?」

「えぇ、 長い間住んでいた家でしてね・・・どうぞ」


家の中に案内されるハシモトとニコ。

家の中には赤毛の三つ編みの女性が居た。


「妻のアーシュです」

「初めまして、 アーシュです、 貴方が除霊屋さんですか?」

「正確には除霊屋を紹介する仲介屋ですね、 それでフーゴさんの件ですが・・・

やはり霊が憑いていますね」

「やっぱりですか」

「ど、 どういう事です、 ハシモトさん」


ニコが説明を求める。


「君がパン屋で働いている時にフーゴさんとアーシュさんが事務所に来てね

霊が憑いていると言っていたんだけども霊が見えなかったんだ」

「霊が見えない? そんな事ってあるんですか?」

「極めて霊格が低い霊なら見えないと言う事も有るだろう

しかしフーゴさんの話によると如何やらフーゴさんの体を勝手に操っているそうなんだ」

「人の体を勝手に操る? そんな事が出来るのですか?」

「普通は無理、 かなり霊格が高い幽霊じゃないと

人の体を操るのは出来ない、 だがしかし、 フーゴさんには心当たりがあるそうだ」

「心当たり?」

「えぇ、 今から三年位前の事、 私は当時冴えない大富豪プレイヤーだった

アルバイトと兼任していててね・・・妻と仲睦まじくやっていたんだが・・・

ある日、 酒を呑んで帰る途中に橋から落ちて死にかけたんだ」

「それで?」

「死にかけている時に変な所に行ったんだ」

「変な所?」


フーゴは言葉を選んだ。


「あの世・・・って言うのかな?

兎に角そこでカイキューって言う大富豪プレイヤーの霊と会ったんだ

カイキューは言ったよ

『もしも体を貸してくれるのならばトップ大富豪プレイヤーになれる』と」

「これは俗にいう契約と言う形での憑依ですね

こちらが許可を出しているから向こうも憑依が出来ていると」

「なるほど・・・」

「しかしあの世から霊が出て来るとはかなりのレアケース

心霊学者が研究したいと思うでしょうね」

「うーん・・・それは困る・・・」


――――――――――――――――――――――――――――――――――


【登場人物紹介】

フーゴ

国内トップ大富豪プレイヤーの一人

冴えない風貌の男性で冴えない大富豪プレイヤーだったが

カイキューと言う大富豪プレイヤーの霊に憑依されて

大富豪中はカイキューによって操られている

異名は超新星、ジンセを破った男として知られている

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