第5話【老執事と貴族】
スーツを身に纏ったハシモトとニコ。
「うー、 スーツ何て初めて来ましたよ」
「我慢しろ、 今回は貴族の所に行くんだから」
とても大きな屋敷の前にやって来るハシモトとニコ。
屋敷のドアノッカーを叩くハシモト。
「ハシモト霊的相談所の者ですー!! 誰か居ませんかー!!」
屋敷の玄関のドアが開いた。
そこには老執事が居た。
「初めまして、 執事のジーヤと言います」
「ハシモトです、 こちらは雑用のニコ」
「ど、 どうも」
「主の元へご案内します」
屋敷の中は豪華絢爛で正に貴族の屋敷と言った感じであった。
しかし玄関から暫く歩いて居るのにメイドの一人の姿も見えなかった。
「広いお屋敷ですね」
「えぇ、 このお屋敷は今から200年ほど前に初代当主の方が建てられた
由緒有るお屋敷なのですよ」
「へぇ・・・仕えているのは貴方だけですか?」
「え、 えぇそうなんですよ
他の使用人達は辞めてしまって・・・」
「どうしてですか?」
「・・・主が幽霊に憑りつかれてからと言う物、 皆、 恐ろしくて逃げてしまったのです」
「それは悲惨な・・・」
「えぇ・・・本当に気の毒です、 ではこちらが主のお部屋になります」
そう言って部屋の前にやって来た。
ドアをノックするジーヤ。
「ご主人様、 除霊屋の方をお連れしました」
「除霊屋では無くハシモト霊的相談所です」
「・・・入って貰え」
ドアを開けるジーヤ。
部屋の中にはベッドが有り、 そこには赤毛の若い男が横になっていた。
「やぁ、 俺がこの屋敷の当主のゾッグだ」
「ハシモトです、 こっちは雑用のニコ」
「ど、 どうも」
頭を下げるニコ。
「・・・・・」
ニコをまじまじと見るゾッグ。
「それで見た所、 如何やら憑りつかれていますね」
「やはり、 か」
「見た所、 メイドの幽霊の様ですが」
「メイド!! やはりアイツか!!」
「お知り合いですか」
「・・・・・まぁな」
「しかし見た所、 これはかなり不味い幽霊ですね」
「不味い?」
「えぇ、 貴方に害意を持って接している幽霊です、 これは長期戦になるでしょう」
「長期戦だと!? すぐにパパっと退治できないのか!?」
「そんなにほいほい除霊は出来ませんよ」
「それは困る!! さっさと除霊をして貰わないと駄目なんだ!!
金は幾らでも払う!! 頼む!! 何とかしてくれ!!」
――――――――――――――――――――――――
【登場人物紹介】
ジーヤ
老いた執事
長年ゾッグのに仕えて働いている
無趣味で無感動な性格で事なかれ主義
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます