第3話【カウンセラー】

後日、 ココ爺の元にカウンセラーがやって来た。

緑のミドルロングヘアの落ち着いた女性だった。


「ハシモトさんの紹介で来ました、 カウンセラーのセーラです」

「どうも、 ココです、 よろしくお願いします」

「それでは貴方に憑りついている幽霊と話をさせて頂きますね」

「はい、 分かりました」

「じゃあ、 まずお名前から」

「? さっきココと名乗ったでしょう」

「あ、 いや幽霊の方ですよ」

「あ、 それはすみません・・・」


幽霊と会話をするセーラ。


「はい、 カナさんですね、 カナさんはココさんとは如何言った御関係でしょう」


「夫婦の方でしたか、 それで何故ココさんに憑りついているのですか?」


「なるほど・・・それは確かに問題ですね・・・」


「分かります、 分かりますが、 無理にやらせる必要は無いかと思います」


「うーん、 それは・・・如何なんでしょうか?」


「とりあえず本人に聞いてみましょう、 ココさん」

「はい?」

「ココさんは周囲の方々とのコミュニケーションはしないのですか?」

「あまり積極的とは言えないな・・・

孫娘は良く来てくれるが・・・」

「そうですか・・・カナさんは貴方が周囲とコミュニケーションを取らないのが心配の様です

それで何とか周囲にコミュニケーションを取らせたくてこの様な行動を取っている様です」

「周囲とのコミュニケーション? 確かに孤独死とかはゴメンだが・・・

どうやってコミュニケーションを取って行けば良いのか分からない」

「そうですか・・・まぁゆっくり頑張って行けば良いですよ」


そう言って立ち上がるセーラ。


「今回はここまでにしておきましょう」

「へっ? ここまでとは?」

「カナさんを除霊、 いや今回は成仏と言った方が正しいですかね

ココさんが気になっているのでそのとっかかりを何とかしなければカナさんは成仏出来ません」

「そ、 それじゃあ肩の痛みはこのままですか?」

「あー・・・肩が痛いそうなので叩かないで上げて下さい」


「分かったそうです」

「そうなんですか・・・」

「まぁゆっくり周囲とのコミュニケーションを取っていく事にしましょう

私もカナさんが成仏するまでサポート致しますよ」


ぐ、 と手を握るセーラ。


「・・・てっきり話し合って直ぐに終わるかと思ったのですが・・・」

「私は魔法使いじゃないのでそんなに早く終わらないですよ」


クスリと笑うセーラだった。


―――――――――――――――――――――――――――

【登場人物紹介】

セーラ

緑のミドルロングヘアの落ち着いた女性

幽霊と話し合って解決方法を模索するカウンセラー

ゆったりと幽霊と話し合い長期的な除霊を行う

のんびりとした性格で社交的である

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