自我が芽生えたばかりの頃、誰かに問いかけられた。「あなたの将来の夢は?」「わからない」と答えるとその人は心底残念そうな顔をして、質問を続ける。「好きな食べ物は?」「嫌いな人は?」「やりたいことは?」「愛したい人の一人くらいはいるでしょう?」どれも答えられず、口を噤むと責め立てるような目を向けられた。わたしは、何故かソレがひどく恐ろしかった。

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世界できみ以外綺麗じゃなかった ハビィ(ハンネ変えた。) @okitasan

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