第27話

 6月某日、金曜日。

梅雨の月には珍しい、雨の振らなかった朝。

 ジ○リみたいに庭に紫陽花が咲いているみたいな事はないが、それでも、太陽の光は白く窓のカーテン越しに俺を明るくてらした。



のは、いいが。



「ん?」


水色っぽい掛け布団には、俺の他にもう一名誰かが寝ている……というか、俺の右手が捕獲されている。


愛奈よ……。

まさかこの部屋で夜を過ごしたのか……。

いや、何も考えないほうがいい。そう思い一つ思い出す。



「白い光…?」


朝焼けは『白橙色』。

白い色は、太陽がある程度の高さになってからの色。



つまり。


時計を見る。



「遅っ……、あれ?」


完全に遅刻だと思っていた。

が、現在の時刻は『6:24』。流石に6月といえど、ほとんど夏なのを忘れていた。


もう朝四時台から太陽が登り始めるのだ。

いつも雲で覆い隠されているから、太陽が登るのが早いことを忘れている。



俺は焦ったせいで、冷や汗をかきながら完全に覚醒した。




「にしても…、柔らかい……」

愛奈の薄着のせいで俺にほとんどダイレクトに当たる胸。手を抜こうとするたびに『ほにゅんほにゅん』揺れて、大変なことになっている。



さて、抜け出しますか。





結局、タオルケットを間にはさみながら抜くことで脱出した。

その後、俺は朝ごはんを作るための準備を始めた。



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