第11話

俺の膝の上に収まる愛奈。

愛奈曰く、身長に少しだけ差があるので座り心地がいいらしい。


それ自体は別に構わない。

それどころか、ぜひ座ってくれという感情だが、困ったことに。


「愛奈、腕を愛奈の前に回させるのやめない?」


そう。愛奈は俺の上に乗ったときに必ず俺の腕をとり、自身の前に回させたうえで、それを上から抑えるように、愛奈自身の手を乗せるのだ。

そうすると、なんということでしょう。


腕が柔らかい何かに当たるのだ。

いや、『何か』は、『何か』である。俺は何も知らない。


「お兄ちゃんそんなことよりゲームっ!」

「・・・うぃっす」


大胆不敵……?

いや、使い方がまちがってるかな……。

なんだろうか。

とにかく、今の愛奈は無敵モードである。


この愛奈に俺は何度倒されてきたか。

とにもかくにも、最強なのである。ていうか、柔らかい・・・。


「愛奈、なんの武器使うの?」

「チャージアッ〇スっ!あれ多分ゲーム内中最強でしょ!」

「せやな。そんなことよりさぁ、味方の集中力壊すのやめない?」

「・・・・・?」


わざとらしくこちらを見上げて、『ちょこん』と小首を傾げる愛奈。

思わず心臓が止まりそうになる。それぐらいの破壊力と衝撃を感じた。


「死ぬぞ?それは俺が死ぬぞ?」

「そうなの?合法的にキスできるチャンスだから、気を失うぐらいなら是非っ!」


愛奈・・・お前頭大丈夫か・・・?

もっと、俺の心臓を考えてくれ・・・。キスは全然かまわないけどさ・・・それの為に気絶するのは疲れるから、お兄ちゃん遠慮させてほしいなって思うんだ。



「じゃあ、まあ。うん。俺は操〇棍使うよ・・・」

「おっけー早くいこっ!」



そんなわけで、行きますか。






・・・・・心臓、保つかなぁ・・・・。

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