第10話

「ん?ケーブル……あぁ、3D○を繋ぐのね」

「そそ」


そう言いながら、かちゃかちゃとケーブルを繋ぐ愛奈。未だに制服姿なのはなぜだろうか。動きにくそうである。



……まぁ、可愛いけど。




「よしっ!これでできるっ!」


そう言いながらソファに座る愛奈。

 テレビとソファの間にあるガラスのテーブルからゲーム機本体を2つとり、こちらに渡してくる。


「ん〜、っと………あっ、あった」

独り言をつぶやきながら、テレビのチャンネル(?)を変える愛奈。


テーブルに手をつき、身を乗り出すようにしてテレビにリモコンの照準を合わせるので、後ろから見てるとすごい状況なのだ。


ただでさえ短いスカートな愛奈。

それが、身を乗り出したりなんかしたら…。




「愛奈………体を乗り出さない」

「んえっ?………あぁ〜。ほぉ〜」


愛奈が一度だけこちらを振り返る。その後に何か納得したように首を何度か縦に振った。


………なんだろう、この敗北感は。



「ねぇ〜、リオレ○ス希少種手伝って〜」

「……それも倒せないのか、妹よ」

「仕方ないじゃ〜ん!」


 頬をぷくーっと膨らませながら、こちらを睨む愛奈。

 だけど、俺には威嚇ではなくただの可愛いポーズを撮ってるようにしか見えない。



ただただ、可愛い。

俺が和んでるだけとわかったのか、愛奈は「む〜っ」と唸るような声を出すと、俺の膝の上に座ってきた。


「………愛奈?」

「お兄ちゃんなんて知らないっ!」


およ?

お兄ちゃん……とな。




愛奈は特徴がわかりやすい。

興奮したり、感情が昂ぶったりすると何時もの兄さん呼びから『お兄ちゃん』へ変化するのだ。


それがなんとも可愛いのである。

今回も、耐えられそうに無い。

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