第9話
「ぶー。そんなに気にしてるの?」
「そりゃ………」
まさかお宝の場所を把握されているとは……。
あの仕込は完璧だと思ったのに。本棚にいろんな哲学書も入っている中であの隠してある本だから、バレる心配もないと思ったのに。
「兄さんも男の子なんだし、当然じゃない?むしろ健全でいいと思うよ〜」
_人人人人人人人人人_
< まさかの発言 >
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
「その年で……いや同い年だけど。その年でそこまで達観するか?」
「んーと、兄さんだから問題なかったんだよ〜。これが同級生とかだったら…、ねぇ……」
恥ずかしさと嬉しさが同時に俺を襲う。
ちょっと顔が赤くなってるのを自覚したので、俺は話をそらすことにした。
「……でも、なんでわかったの?」
すべての食器を洗い終わり、手を拭きながら尋ねる。
すると、愛奈が固まる気配がした。
見ると、顔をほんのり赤くした愛奈が床を見つめて何かを思い出してはプルプルしていた。
………何あの仕草。
首振ってプルプルしたあとにまた硬直するの繰り返すって……。
可愛いかよ……。
俺は先程のお宝問題よりも、むしろ今の愛奈の仕草に顔が赤くなってる気がした。
「………」
仕方ないので、愛奈への追求を打ち止めにした。その分、可愛い反応が見られたということで、まぁ我慢しようと思った。
今は、風呂を沸かしてる間にゲームする時間だ。
さっき、愛奈にゲームをしようと言われてそのままだったからなぁ。
「愛奈〜なにするんだ〜?」
「モ○ハン!」
そう言いながら、彼女はテレビをつけてケーブルを持ってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます