第3話
「兄さん、今日は何で帰ってくるのが遅くなったんですか?」
・・・あれ?ゲームの話だと思ったのに・・・?
さっき決め顔でゲームしようとか言ってなかった?
「ん?あれは?ゲームの話は?」
「そんなのどーでもいいんです!」
さいですか。
って、顔が近いっすよ妹よ。
うちの妹はかなり・・・いや、めっちゃかわいい。
黒髪のセミロングに、黒玉のように澄んだ瞳。
身長は俺よりも少しだけ低い。
「ねえ、何で帰ってくるの遅かったの?」
「えと、図書館に通っていたから、で、もっと言うと勉強していたからだ、よ?」
うちの妹は頭がいい。それも、物凄く、である。
俺と愛奈は同学年の高校2年生だ。つまり、成績やテストの結果を比べ易いのである。で、俺が負けているため必死に追いつこうと努力するのである。
妹は総合成績及び、現時点の最終テスト結果で学年2位と1位の天才なのだ。
「学年2位なんだろ?愛奈は。でも俺はそんな高くないの」
うちの学校は偏差値が高い代わりに校則が緩い。だが先に述べたとおり偏差値が高いから少しでも手を抜いたら退学すらあり得るのだ。
もちろん、それは嫌だ。だからこそ、妹にばれないようにこそこそと、努力をしていたのだ。
「兄さん?いくら退学処分が他校よりも厳しいって言っても学年8位の人を落とさないの!生徒会の歴代表を見ても赤点の人とか、犯罪者ぐらいしか落とされてないの!」
珍しい長広舌を披露する愛奈。
俺はそれを否定するために口を開こうとした瞬間、愛奈に発言を制された。
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