第7話 とりあえずアメ横ってなんかエロい

 さて、とりあえず朝からバタバタして帝国大学で授業を受けて、家に戻ったある日だ。

 アオが唐突に言い出した。

「アメ横って響き、エロいですよね」

 ……アメ横の中がエロい、はまだわかるが響きがエロいという斬新すぎる表現。

「どうエロイんだ?」

 ヤバイ、理解が追い付かないがとりあえず聞いてみよう。

「だから、響きがですよ。リズムです、リズム。a,m,e,y,o,k,oという音節が奏でる何かです」

「……」

 頭を抱える。

 なんだそれは。

 まるで説明になってない。

「ほら、ミロのヴィーナスをエロくないと感じる人もいるわけで、そういう意味ではアメ横をエロいと感じるか否かは人の感性だと思うんですよね」

「少なくとも俺は上野駅近くの商店街の音節からエロを見出す感性はない」

 すると、アオはしょんぼりした。

「これが……感性の違い……」

「いや、多分十中八九はその感性はわからん」

















 翌日

「聞いてみたけどみんなわからないということでした……」

「だろうな」

 当たり前だ。


          続く

 

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