第7話 ロビンがしてくれた事 臨終
動物病院の楽観的な診断と異なり日付が2月13日に変わる頃から夜鳴きの声もそれまでのウワーンというだみ声からニャーンという心細い鳴き声に変わっていきました。
猫も歳をとると声質が変わり以前の澄んだ声ではなくだみ声で鳴く事が多くなります。ここ最近では聞いたことがない鳴き声でした。
弱々しいニャーンという夜鳴きになって、ああ もうダメなんだと悟りずっと見守るつもりでいたのに徹夜二日目という事もあって結局明け方の4時過ぎに眠気に負けてしまいました。
起きたのが朝8時過ぎ。
すぐにロビンに掛けている毛布を見るともう呼吸による上下運動がありません。
慌てて毛布をめくると呼吸が止まっていました。
諦めきれずに何度もロビン! ロビン!と呼びかけると今呼吸をする事に気づいたかのようにすーっと息を吸い込み、目を開けて若い頃の甘える時によく鳴いていた声でニャーンと鳴いてくれました。
急いで抱きかかえると少し苦しそうに息を3回吸って吐いて私の腕の中で本当に眠るように逝ってしまいました。
これ、私が思い描いていたロビンとの最高のお別れの仕方だったんです。
不覚にも眠ってしまった私が起きるまで待っててくれたとしか思えないんです。
亡くなるまでロビンを自分の子供の様に感じていましたが、成長過程でいつの間にか精神年齢が私を遥かに超えていたんだなと亡くしてから気付きました。
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