テスト後のご褒美
なんだかんだテストは無事に終わって、結果も帰ってきた。まあイケメンがあの日以降一切俺のことを煽ってこないのでまあ負けてはないだろうと思っていたし、実際奴は上位どころか下位に位置していたらしい。一体何がしたかったんだろうか。
でも、俺はそれよりも驚くべき結果を出すことができた。それは……。
「純、学年2位おめでとう!」
「あ、ありがとう!」
俺が学年2位の成績を取れたことだ。もちろん1位はお嬢様。この結果は俺がお嬢様の側にいてて恥じない存在だって思える自信にもなった。それにお嬢様は俺以上にこの結果を喜んでくれてて……。
「で、でもノア、い、一旦離れようか。め、めっちゃ目立ってる」
ずっと俺を抱きしめてくれてる。いや、すごく嬉しいけどあちこちから視線がザクザク刺さってくるし、それに多少マシにはなったとはいえ俺はやっぱりお嬢様にこんなことをされるといつ気絶してしまうかわからないんだ!
「いいじゃない! 見せつけていきましょう、私たちの絆を!」
「ええ!?」
だがお嬢様は俺が2位を取ったことがよほど嬉しかったんだろう。さらに俺のことをぎゅーっと抱きしめて離さない。
「す、すげえなあの二人……」
「カップルでワンツーの結果とかぱねえけど……それ以上に」
「ああ、いちゃつきすぎでは?」
「いいなあ……俺も埋もれたい」
野次馬があれこれ言ってるのがもろ聞こえてくる。ああ、やっぱ俺らカップル認定されてるよなあ……そりゃこんなの客観的に見たらカップルと思っちゃうのかもなあ……。
「さて、じゃあ純へのご褒美をあげるためにそろそろ部室に行こうかしら」
「ご褒美? な、なにそれ?」
「それは部室に行ってからのお楽しみよ!」
と、お嬢様が俺に抱きつくのをやめては、今度は俺の手を引いて部室に連れて行く。ご褒美って一体なんだんだ? なんか……一切想像できないんだけど。
「さあ、ついたわ純。そこの席に座ってね」
「う、うん」
部室に着くと、俺はお嬢様に言われるがままに席に座る。するとお嬢様は部室にあるロッカーから何かを取り出しているようで……ん? なんか紙切れ?
「はいこれ!」
「これは……え!? ディ、ディ●ニーペアチケット……じゃん」
それはかの有名な夢の国に行けるチケット、しかもペアチケットだった。こういうところ一度も行ったことないから、行ってみたいなあとは常々思っていたけど……まさかこれがもらえるなんて。
ぶっちゃけ最近のお嬢様のことだからとんでもないものを渡されるんじゃないかと思ったけど……これは素直に嬉しい。でもペアチケットってことは……。
「純、頑張ってたから息抜きにどうかなって思ったの。どう……かしら?」
「もちろんめちゃくちゃ嬉しいよ! それに……ペアチケットってことはノアと一緒に行けるってことだよね?」
「もちろん!」
やはりそうだよな。正直、俺はいつかお嬢様とディ●ニーデートというものをしてみたかったから……夢が叶ったと言えるのかもしれない。いや、付き合ってないからデートじゃないんだけどさ。
「楽しみだなあ、本当にありがとうノア、これ以上ないご褒美だよ」
「純が喜んでくれてよかったわ! ……それに、こうしてまだまだ一緒に二人っきりでいられるのって、やっぱり幸せだわ」
「……ほんと、そうだね」
相手が雑魚だったからよかったものの、もし本当に強敵だったら……お嬢様と俺は離れ離れになっていた可能性もある。お嬢様も少しだけ、不安だったのかもしれない。俺だって不安はあったし。
だけどこうして一緒にいられて、ディ●ニー行ける約束までできるのは、本当に幸せなことなんだと実感できる。
「ごめーん、遅れた……あ、それディ●ニーチケット!? 二人行くんだ! いいなあ……私もまた行きたい」
「あら、桃原さん行ったことあるの? 私たちお互い初めてなの」
ちょっとしんみりした空気になったけど、その中で桃原さんがやってきたのでいつもの感じに戻った。
「うん、何回かあるよ。あ、それじゃあ二人が楽しめるスポットいくつか紹介するよ!」
「それはありがたいわ! じゃあ純、これから一緒にどこ行くか考えましょう」
「うん、そうしよっか」
とまあ、そんなわけで俺らは部室でどこ行こうかとワイワイ話し合った。そして数日後にディ●ニー行くことになったんだけど……。そこで俺らがかなりめんどくさいことに巻き込まれることになるのは……この時知る由もない。
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