第2話「切り絵」
「小学校のたぶん低学年?の話、その日は参観日で母と一緒に切り絵を作った」
確か子供が保護者の絵を黒い画用紙に書き、保護者がそれをカッターナイフで切り抜いてあげるものだったと思う。
「もうちょっと髪に光が要るんじゃない?」
それは先生のささいなアドバイスだった。
(たぶんその先生は担任の女性の先生ではなく、見学?サポート?に来てた男性の教頭先生?だったと思う)
私は泣き出す、「わんわん」とでは無い、「ポロポロ」と涙がこぼれるのだ。
私はその時悔しかったのだと思う、その日は少し外が暗かったが教室のライトをつける程ではなかったのだろう。
「私は私の目に見えたように母を描いたのに…」
先生は私をなだめ母は真っ黒に描かれた自分の髪に葉っぱの様な木漏れ日を切り足した。
私はもっと泣いた、先生も母もクラスのみんなもきっと困っていた筈だ。
「でも、今でも思う、その切り絵の母は私が見た母では無くなっていたんだと…」
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