思い出はフィクションのように。

山岡咲美

第1話「母との思い出を思い出す」

 「楽しい思い出を書きたいな」

しばらく考え、何も無かったとか書こうと思ったが…浮かんだ。


「カニクリームコロッケだ」

いや楽しい思い出では無い、母がそれを食卓に出した時、それは冷めており美味しく無かった、母はもう一度あげ直してくれたが今度は油っぽくなって不味い。


私は母文句を言う。


母はもう作らないと反す。


私は自分で料理をする回数が増え、母の料理を食べる回数が減った。


元々母は仕事が忙しく一緒に食卓を囲む事が少なかったが、それ以降ほとんど一緒に食べなくなった。


私が避けるようなってしまっていた。

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