第3話チェルシー

「監督!どうか俺を信用してくれませんか!」

 チェルシーのミーティングルームに響く声。

「そう慌てなくてもいい。いずれかはチャンスはやってくる。君はまだ若い。その年でチェルシーに在籍するのも凄い事だと思うよ」

「違んです。チャンスが…その、すぐ欲しいんです。私を信用してくれませんか?試合に出して欲しいんです」

「いつ私が君を出さないと言った?君のプレーの質による。出場機会が欲しければそれなりの活躍が必要だ。短いチャンスでね」

「そうですか…」

「我々は前回1位という結果を出した。8月14日にシーズンが始まる。初戦はリヴァプールだ」

「そうですね。俺は出れますか?」

「少し勘違いしてるようだが君は即戦力として獲得したのだ。即戦力とは言ってもプレーの質にはよるが試合には出す。信用してるのだ」

「ありがとうございます!」

「期待してるよ」





       記者会見


ーチェルシー入団おめでとうございますー

「ありがとうございます」

ーチェルシーは今右WGであったウィリアンを失いました。あなたはその後釜として期待されています。あなたはどのような結果が残せますか?ー

「ウィリアンの後釜ですか?まさか俺が?嬉しいよ。光栄だね。なら彼よりも得点を決めてチェルシーに感動を届けたいね」

ーあなたはリヴァプールに新加入したアレッジと仲がいいみたいですがリヴァプール戦で戦うことにどう感じてますか?ー

「リヴァプール戦では彼と戦うことになるんだ。俺達はアンフィールドに乗り込む事になる。仲がいいとか関係ないですよ」

ー監督についてどう思いますか?ー

「監督?まだチェルシーが最初のクラブだから分からないよ。今現在は監督には満足してるとしか言いようがない」

ー最後に背番号を見せて下さいー

ハリーは無言で背番号22を見せる。

ーありがとうございます。以上で質問を終わりにします。ありがとうございました。ー



 電話が鳴る。相手はアレッジからだ。

「記者会見お疲れ様。かっこいい事言ってんじゃねーか」

「見とけよ、俺達がリヴァプール勝ってみせるさ」

「やってみろよ」









 You""ll never work alone。リヴァプールのチャントだ。リヴァプールのチャントがアンフィールドを震わせる。アンフィールドはリヴァプールの象徴でありフットボールで一番ホームを指すスタジアムといっても過言ではない。アンフィールドとサポーターがいるからこそリヴァプールはホームで勝てる。そこにチェルシーは乗り込むのだ。

「よぉ、ハリー、もうすぐだな」

「必ず勝つ」

「まもなくキックオフです。要塞アンフィールドの戦士リヴァプール。要塞に踏み込む戦士チェルシー。果たしてどちらが勝つのでしょうか。緊張の一戦はもうすぐです!」



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