第2話リヴァプール

「ここでお別れだな。次会うときはフィールドになるな」

「あぁ、そうだな」

「そろそろ時間だな。じゃあな!」

「あぁ、じゃあな」

 2人はそれぞれ自分の乗るべき飛行機へと向かった。 

 リヴァプール。マージサイド州にある都市。海商都市リヴァプールとして世界遺産されておりビートルズの出身地としても知られている。

「リヴァプール、ただいま」

 故郷リヴァプールに挨拶をする。アレッジにとってリヴァプールが一番落ち着く。

「まずは監督に挨拶に行かないとな」

 アレッジはアンフィールドのある地へと足を向けるのだった。




「クロップ監督。始めまして。アレッジ・トレントです」

「始めまして。アレッジ」

「監督。リヴァプールの一員としてアンフィールドで戦います」

「期待してるよ」

 アレッジはクロップ監督とのコミュニケーションを済ませる。

 明日からは練習が始まる。その時電話が鳴る。

ブルルルルル…ガチャ。

「はい、もしもし」

「よぉ!アレッジ!実はなチェルシーでランパード監督に即戦力として認められたんだ!」

 ハリーは喜びを分かち合うために電話をかけてきた。

「良かったじゃないか。俺はまだわからないよ」

「そうか、まぁアレッジなら即戦力として期待されるぜ!じゃあな!」

 ふぅ…ハリーからの電話で気持ちが整った。アレッジは慌てていたのかもしれない。




5月19日。シーズン終了。リヴァプールは3位と1のチェルシーとは2点差。2位のマンチェスターユナイテッドとは1点差と惜しくも3位となったリヴァプールは約3ヶ月間のオフシーズンが与えられた。8月14日にシーズンが始まる。その間は個人練習やオフシーズンを選手は楽しむ。このオフシーズンの長さをすっかり頭から抜けていたアレッジとハリーは一緒にサッカーをするのだった。

「オフシーズン忘れてたな」

「存在を忘れてた」

 2人はそんなやりとりをしながらサッカーをしていた。

「オフシーズンの存在忘れて今気づいたけどオフシーズンももうすぐ終わるな」

「そうだな、もう日程も分かってるしな」

「リヴァプールと戦うときは俺らが勝って見せるからな」

「こっちも同じ気持ちだよ」

 





8月10日。入団会見。遅めの会見だ。

 カシャカシャ。カメラのフラッシュがアレッジと監督を炊く。

 アレッジは自分の背番号"19"を表に記者に見せつけた。カシャカシャ。 

ー今回正式にリヴァプールへと入団しました。分かっていると思いますがここは実力者が集うクラブです。あなたは本当にリヴァプールで活躍出来ますか?ー

 女性記者が言う。

「勿論。リヴァプールにいるからには期待に答えたいです。自分で言うのもあれですがリヴァプールにいれば俺は活躍出来ます。リヴァプールの仲間、監督が素晴らしいからね」

ーあなたはリヴァプールの勝利の欠片ピースだと言われているがアレッジ選手がどういう選手なのか分からない。自分のプレイスタイルを教えてくれー

「プレイスタイル?OK。俺は足が速いね。ポジションはRWG。CFも出来る。ドリブルと足の速さを武器にしています」

ー身長は?ー

「身長?184cm。体重は78kg」

ー最後の質問ですが監督についてどう思っていますか?ー

「パーフェクト。素晴らしい監督だね。選手一人ひとりのコミュニケーションを大事にしてくれる監督だよ。クロップ監督の元サッカーが出来るなんて光栄だね」

 カシャカシャ。記者会見が終わる。今日からリヴァプールの一員として戦うことになったアレッジ。これから先どうなるのか。


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