めでたき日の裏側
もっとおしゃべり、したかったのに -ナナ-
(むー)
わたしはとってもお
今日はかぞくみんなでおでかけ。「しんがくしき」とかいうののためにたくさんの人が集まってるみたい。
でぃー
キョロキョロと首を振って
りー姉はでぃー姉かわいいかわいいばっかり。さー姉とえー姉は、おねむで早く終わんないかなーって。
わたしもおねむしたいけど、こうもうるさいと寝るのもむずかしい。だから、むーって口を
くるりと左に目を向けると、ひざとひじをくっつけてつまんなそうに顔を支えてるえー姉がこっちを見た。ぱんぱんとひざを叩いて、えー姉たすけて、と呼びかける。
えー姉もさー姉もむーって時にはすぐたすけてくれる。やさしくて好き。
でぃー姉も、たすけてくれるけどちょっとうるさい。りー姉は、こそこそしながらたすけてくれる。ふしぎ。
その声が聞こえたみたいで、ナナ、ナイス!って
「ナナがつまんなそうだからちょっと外出てくるね」
「あらあら、仕方がないわね。でも、二人だけだと心配。ファナ、お願い出来る?」
「承知しました」
それから、わたしの
「行こっか、ナナ」
うん、ってそういう前に歩きだしちゃうえー姉。後ろからふぁながこっそりついてくる。ふぁなは、うるさくなくて好き。
ドアをあけて左のほうのかいだんをおりてから、足が
こわい顔したおじさんたちの真ん中を通り抜けてやっとお外。それから少し歩いて、おっきな
「ぷはー!ありがとね、ナナ!天使!女神!」
おみずをゴクゴクしてる途中であたまをナデナデされる。よくわかんないけど、あたまがポカポカになって、うれしい。
「やー、おめでたいと思わないわけじゃないけど、ああも
べつにお
「……でぃー姉、どこかわかん、なくて。つまんない」
あんまり口をうごかさないから、たまにしゃべると良くわかんなくなっちゃう。えー姉もナナが自分からしゃべってる、めずらしい、って。やっぱりおかしかった?
「そうだよね〜。
「でぃー姉、おめでとう、したかった、の」
「そっかそっかー。まぁ今夜はお家でお祝いするらしいから、おめでとうはそこですれば良いよ」
「うん……。おうちでおめでとう、する」
「よしよし、いい子いい子」
またナデナデしてくれるえー姉。それからかわいいって。
えー姉とそれからさー姉は、お話してるといつもほめてくれて、ナデナデしてくれる。それがうれしくて、いつもがんばって口を
「でぃー姉、いつ帰って、くる?」
「うーんとねー。確か後一時間半くらいで終わって、
「さびしい」
「ん?私がいるのに
そう言ってえー姉はまたわたしの身体を抱っこして、おひざの上にすわらせてくれる。
「ダメ、じゃ、ない。けど。でぃー姉に早く、おめでと、言いたい……」
「そうだよねー。ディー姉もおめでたい式なんかより、ナナにおめでとうって言われる方が
「ほんと……?」
「本当本当!可愛いナナに
「じゃあ、いっぱいおめでとした、ら、いっぱいよろこんで、くれる……?」
「そりゃもう
おめでとう、ありがとうがくりかえされそうだなーとも言ってたけど、いっぱいありがとう
「ディー姉は……」
何か言おうとして止まってしまうえー姉。くびを上に向けてみたら、どっか
「ナナ〜、お姉ちゃんちょっと
そう言っておひざにすわってるわたしの腰に手を当てるえー姉。ふかふかの
「ファナ〜」
「はい」
いつのまにかそばに居たふぁな。静かすぎて、ふぁなだけは近くにいてもあまり気づかないの。
「ナナをお願い」
「かしこまりました。エリアニーネお嬢様はどうされるのですか?」
「ちょっと
「では、旦那様と奥様に聞かれた際はそのように伝えておきます。お気を付けて」
「はいは〜い」
そう言ってどっかに行っちゃったえー姉。
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