第2話 彼目線

俺は小学生の頃から好きな子がいる。

その子は家が近所で昔はよく遊んでいた。


けど、まだその頃は好きという感情をよく分かっておらず

「よく分からないけど一緒にいると嬉しい」

という親友のような捉え方をしていた。


中学にあがり俺には彼女が出来た。

と言っても俺から告白したわけじゃない。

かといって断る理由がなく付き合っていた。



中学も同じだったあの子は顔を合わせる度に辛そうな顔をしていた。

何故だろう。あの子が辛そうな顔は何故か心が苦しくなる。


あの子の話をすると付き合っていた子はみんな離れて行ってしまう。

決まって1月が終わる頃に…。


そう言えばあの子が徐々に辛そうになっていくのもその頃だった。

何故俺はあの子のことがずっと気になってしまうのだろう。

何故朝偶然会うと嬉しい気持ちなのだろう。



大学4年になってようやく気がついた。

1番最後の彼女が教えてくれた。



そっか、俺はあの子の事が好きだったのか。

それに気づかずに16年間過ごしてきた。



俺は馬鹿だ。今まで付き合ってきた彼女達にも酷いことをしていたのだろう。

未だに連絡とっている子はあまりいないがきちんと謝らないと。



だけど今は前を見ないと。

きちんとあの子と向き合わないと。



先程あの子からメールが届いた。


家に来るようにと。

どんな話を言われようと俺はこの気持ちを伝えよう。


そう思い、メールを返信した。



俺も大事な話があるんだ、と付け加えて。

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