届かぬ君へ

こばや

第1話 彼女目線

私には小学一年生の頃から好きな男の子がいる。


友達には私の彼への気持ちがバレてるらしく何度も告白しないのかと聞かれることがあります。


けれどそれは出来ないのです。

だって彼はモテるから。


一度だけ告白しようとした時がありました。

その時にはもう既に彼は私以外の女の子と付き合っていた。


それでも私は諦めが悪いのか、中学高校そして大学まで彼と同じ学校に通った。


彼はたまたまだと思ってるみたいです。

けれどいくら彼について行ってもまた新しい彼女を作ってしまっているのだ。


家が近くということもあり顔を合わせれば必ず挨拶をするし場合によっては一緒に登校したりする。

ただそれだけである。



ただそれも今年でおしまい。

お互いに就職が決まり、バラバラになってしまう。


その前に渡さなければ。

何度も何度も渡すのを諦めていたチョコを。


毎年彼を思って作っては自分で食べてしまっていた手作りチョコを。

16年分の手紙を添えて今度こそ彼に届けよう。



けれど私は気になっていた。

彼は彼女がいる時は必ず1月末には別れていた。

たまたまなのだろうか。



そんなことを思いながら私は彼に私の家に来るようにメールを送った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る