第5話 同時通訳チャット WDARL(World Dungeon Association Ranking List)

Rank Area CC Name

1 12 *

2 22 RU Dmitrij

3 1 US Simon

4 14 CN Huang

5 1 US Mason

6 26 GB William

7 1 US Joshua

8 1 US Natalie

9 2 *

10 25 FR Victor

11 24 DE Edgar

12 26 GB Tobias

13 25 FR Thierry

14 24 IT Ettore

15 25 FR Quentin

16 24 DE Heinz

17 11 *

18 12 JP Iori

19 24 DE Gordon

...


US「WRL(ワールドランクリスト)を見たか?」

RU「ああ、ロシアの英雄、ドミトリー=ネルニコフが二位になってた。WRL公開以来初めてじゃないか?」

GB「で、トップのヤツは?」

US「それが、未登録らしい」

RU「は? キングサーモンか、キャンベルの魔女が首位?」

US「いや、エリア2の匿名が九位に、11の匿名が一七位にいるから、それは違うはず」

DE「俺、一位が変わる前の順位と比べてみたんだけどさ」

GB「GJ」

DE「少なくとも二〇〇位までには、該当しそうなやつがいないんだ」

GB「は?」

FR「報告! トリプルまでに該当者なし」

US「おま、それどうやって調べたんだよ」

FR「いや、エリア12って、日本を除くとロシアにもインドネシアにも、大きな都市がないんだよ。せいぜいがオーストラリアのアデレードくらいでさ」

FR「日本だけは福岡から東京まで含まれているから人数も多いんだけど、早期に管理体制が確立した国だから、初期エクスプローラーのほぼ全員が自衛隊関係で登録されているのさ」

FR「だから、エリア12の匿名エクスプローラーって、トリプルまでにはほとんどいないんだよ。その人数を拾って追いかけたけど、変化がなかった」

US「まてまてまて。それじゃ、このMr.Xは、フォース以降の順位から突然現れたってことか?」

JP「まさにフォースの覚醒か?」

US「誰がうまいこと言えと。フィフス以降かもしれないだろ」

JP「いや、流石にそれは……」

FR「とりあえず、キャッシュが残っている範囲でずっと後ろまで追いかけてみるぜ」

GB「頑張れ」

DE「なにか大きなダンジョンの攻略でもあったのか?」

GB「最近じゃデンバーだろ」

US「あれは、サイモンチームの仕事だろ」

GB「じゃ、それについていった誰か」

US「バカ言え、そいつがフォース以降の領域から、一緒に行ったサイモン達を抜き去るのか? 無理があるにも程がある」

GB「じゃあ、こいつは何をやって、一気に首位に?」

US「…………」

DE「…………」

JP「…………」

RU「……誰にも知られてない、エヴァンス以上に深い階層があるダンジョンを一人で攻略した、とか?」

GB「WDAの管理が行き渡っている現在じゃそんなこと不可能だろ。大体一日で踏破したのでもない限り、順位は徐々に上がることになるし」

US「きっとクリプトン星の出身なんだよ」

DE「いや、M七八星雲かもしれないぞ」

GB「ブルーウォーターを使うのか? それとも三分しか戦えない体なのか?」

JP「うちの国の文化に詳しいようで、涙が出るよ」

...

... 略

...

FR「Hi.シクススまで調べてみたよ」

US「乙」

... 略

GB「乙」

DE「結果は?」

FR「該当しそうな人物は……いなかった」

GB「百万人以内に、いない?」

FR「シクススになると急激に民間人が増えるから、最後の方はエリア12の未登録者の人数比較が主体になるんだ。だから絶対とは言えないけれど、これ以上詰めるのは無理」

DE「ミステリー?」

US「三年も経ってから突然彗星のごとく現れた無名の男ってちょっと格好いいな」

GB「ポリコレ!」

FR「ポリコレ!」

US「ああ、はいはい。男→人物」

...

... 略

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る