第34話 ローザとデート その3
そろそろ帰るか。
もう夕暮れだからJCな瑞穂達は帰らなくてはいけないのだ。
蛍光色のベストを着たオジサンオバサン達に補導されるからね。
「もう帰るニョ?」
「うん、早く帰らないと暗くなると変な人が湧くからね。」
「ヘンナヒト?」
「そうだぞ、下半身を露出したオッサンとか出るぞ。まだ見たこと無いけどな。」
実際に出るのか?最早マンガくらいにしか登場しない変態な気がするな。
実在する変態だと下着泥棒か電車痴漢くらいか?後はノゾキとか、盗撮もか。
瑞穂達が遭遇しそうな変態は痴漢と盗撮あたりかな。
「大丈夫だ、ローザちゃんは瑞穂が責任を持ってお家に帰すからな・・・」
「はわわっ!ミズホがイケメンみたいな事言うニョ!ヨウジョなのに!!」幼女言うな。
電車に乗り瑞穂達の住む街へ何事もなく戻って来た。
そうそう痴漢と出逢うことも無いよね。まあ休日だしね。
「ミズホ!送ってくれてありがとニョ!・・・チュッ♡」
おっ?!ローザちゃんからキスされたようだ。ホッペにだけどな。
よし、お返ししよう。チュッ!
「はわわっ!こ、これは・・・ワタシとミズホはリョーオモイニョ?!」
顔を真赤にしたローザちゃんが何やら呟いているけど、聞き取れなかった。
そのまま茹で蛸みたいになったローザちゃんは家(高級ホテル)に帰っていった。
よし、瑞穂も帰ろう。早く帰らないと補導されてしまう。
もうすっかり辺りは暗くなってしまっている。
この道は街頭が少なくて暗いな、夜出歩いたりしないから知らなかったな。
暗いからか人通りも少ない。19時頃だから夕飯の買い出しをする主婦も、定時帰りのサラリーマンもあまり居ない時間帯なのかもしれない。
ん?人影が見えたな。変質者の可能性も考えて臨戦態勢をとっておこう。
人影は電柱の裏側にいて小刻みに揺れている。
・・・ちょっと不自然過ぎやしないか?もしかして幽霊とかじゃないだろうな?
前回の人生では2回ほど幽霊らしき物を見たことが有る。
1回目はボウリング場でバイトしていた時だった。深夜2時頃の閉店後、お客さんが全員帰った事を確認した後、入り口のシャッターを閉め清掃作業をしていた時に、髪の長い女の人の後ろ姿を見てお客さんだと思い声をかけようと近づくと居なくなっていた。バイトの先輩に後から聞いた所、偶に見る人が出る所だったようだ。
2回目は飲食店でバイトをしているときだ。あれは夕方ごろだった。
前を向けばカウンター、後ろを向けば調理台になっている構造で、調理台側の壁にはカウンターが見えるよう全面鏡張りになっていた。
ある日仕込み作業をしていると壁の鏡にオジサンが映ったので「いらっしゃいませ!」と振り返ると誰も居なかった。カウンターからフロアは丸見えなので振り返る間に移動したり隠れたりするのは不可能なのだ。
パートのハーフのオバサンが見える人らしく「この建物には3人幽霊いるわよ」だそうだ。
というわけで瑞穂は幽霊が居ることを信じている。見たこと有るからね。
というかコイツなんでブルブル震えてるんだ?
ジリジリと近づいてみる。夜目には自信があるぞ。
成人男性で年は40くらいか?スーツを着ているからサラリーマンかも。
「ふぃ~・・・」
あ、これアレだ。野シッコだ。
すぅ・・・
と、思ったらスゥっと消えた。
・・・野シッコをして成仏する幽霊だったようだ。
嫌なものを見てしまった・・・
TSして子供からやり直す三十路DTおじさん れぷ @redpurain
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。TSして子供からやり直す三十路DTおじさんの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます