第13話 進路と最後の球技大会

さて、ようやく小6になったぞ。

現時点で前回の人生とは大分差が開いている。

ちゃんと勉強もしているし、運動だって頑張っている。さらに友達も沢山、ではないけど親友と呼んでも良い友達が何人も居る。

あとは進路だ。

と言っても進路は既に決まっている。

皆が行く【私立白蘭学園中等部】だ。通称 白蘭びゃくらん中。

白蘭は中高大とエレベーター式だ。小学校が無いのは聖キャメロン学院が姉妹校で実質白蘭の初等部と言われているからだ。

まぁ他の有名小学校からも生徒が来るので、キャメロンの生徒でも成績が悪ければ入れない。前回の瑞穂がそれだった。


今回は余裕で入れるので安心だね。

瑞穂の友達も余裕だ。


「今年も新入生歓迎球技大会があるニョ!」


「そうね、今年は1年生と組むのよ。去年はサッカーをしたわね。今年は何にしようかしら?」


「今年もテニスは無いんだろ?じゃあ何でも良いぜ!」


「1年生の子達が怪我しないようにしないとですね~健人くん。」


「そうだな。菜々美ちゃん。」


ふむ、やっぱり新入生に合わせた方が良いかな。じゃあ卓球かな?ボールが当たっても一番怪我しにくいし。


「あ、今年からゴルフも追加されたんだよ。」


忘れていた。今年からゴルフ養成コースとか言うのが出来るからって追加されたんだった。理事長が孫をプロゴルファーにしたくてねじ込んだらしい。まぁ私立だし、こういうこともあるのかな?


「ゴルフぅ?テニスを入れろよ~!」知らんよ。理事長に言いなさい。


「ではゴルフで決定ですわね!」「ゴルフやるニョ!」「やったこと無いので楽しみです~!」「そうだな!」


何故かゴルフに決まった。

まぁ怪我しにくいだろうし良いかな。


「えぇ~ゴルフってオッサンのやるもんだろぉ~?」


とか言っていた俊介くんだったけど。


「うぉお!今の良い感じだったよな!ボジションも完璧だぜ!」


やり始めたらこの通り、流石スポーツ馬鹿です。


皆も運動神経悪くないのでそこそこのスコアで進んでいく。


「おねぇたん。おしっこぉ~」


「はいはい。トイレ行こうね~。あ、そっちの子もトイレだよね!一緒に行こうね!」


忙しい。瑞穂の面倒見が良いせいで新入生達が皆、瑞穂を頼ってくる。

まぁある意味友達の面倒を幼稚園から見てきているからね!経験は豊富だよ!

菜々美ちゃんと健人くんは手伝ってくれるけど。

ローザちゃんはお姫様なので人のお世話とか無理だし、俊介くんはゴルフに夢中で使えない。

蓮華ちゃんは年下にどう接すればいいのか解らずオロオロしている。



メチャクチャ忙しかった。球技大会が終わってお別れする時に子どもたちに囲まれて「い゛か゛な゛い゛でぇ~!!!」と泣かれた。何とか1年の担任が引き剥がしてくれて助かった。


ちなみにゴルフの成績はビギナーズラックでホールインワンをキメてしまった。

更に言うと面倒な事に理事長の孫がウチのグループに居たらしくライバル宣言された。1ヶ月後にある小学生限定のゴルフ大会で勝負しろと言われた。

面倒だけど約束してしまったので参加するしかない。

私怨で理事長に内申下げられても困るし。無いと思うけど孫のためにゴルフコースすくちゃうくらいだし、やりかねない。


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