第7話 球技大会

1年生になり一ヶ月ほど経った頃、新入生歓迎球技大会のイベントがあった。

スポーツで生徒たちの交流を促すイベントだ。

1年生と6年生、2年生と5年生、3年生と4年生でチームを組んでドッジボール・バスケット・サッカー・卓球・野球の5種目の中から一つ選択して参加する仕組みだ。

参加する種目によってグループ人数を調整する。人数が足りないグループが出来たらグループの掛け持ちも可。

瑞穂・蓮華ちゃん・俊介ちゃん・ローザちゃんの4人と6年生の4人でグループが出来た。


6年生の4人の紹介


・祐介お兄さん

 今年の生徒会会長。爽やかイケメンお兄さん。


・沙友理お姉さん

 今年の生徒会副会長。清楚な美人お姉さん。


・友幸お兄さん

 無駄に元気があるお兄さん。俊介くんタイプ。


・しおりお姉さん

 寡黙な読書家っぽい美人さん。背は低め。


多分このお兄さんお姉さん達とはそんなにお付き合いは無さそうなので詳しい情報は割愛しますね。

2つ上とかなら中学・高校でも会うと思いますが、1年生と6年生じゃあ流石に離れすぎているからね。


8人で選んだ種目は卓球。人数が少なくても参加できる種目だからね。

と言っても遊びなので明確なルールに従わなくても問題ない。順位も無いからね。

瑞穂は卓球があまり上手くない。前回の人生での話だけど、中学生の時に卓球部のヤツにボコボコにされてから卓球が嫌いになった。


蓮華ちゃんとローザちゃんはハッキリ言って弱かった。俊介くんは流石に上手かった。相手チームの5年生との接戦を繰り広げてギリギリで勝つ、という魅せる試合をしていた。流石未来のトップテニスプレイヤー。


お兄さんお姉さん達は5年生には容赦せず、2年生の子達にはワザと負けてあげていた。5年生の子達は無駄に走らされクタクタになっていた。いやぁエゲツないっすね!


瑞穂は”可もなく不可もなく”な感じに調整した。

クラブ活動の勧誘が活性化しそうなのでフラグは立たせない。

特に卓球、おまえはダメだ!



幼稚園の時からの友達である菜々美ちゃんと健人くんに会うためにグループメンバーに一言言ってから抜け出した。


たしか菜々美ちゃん達はドッジボールだったはずだ。

SNSでやり取りしているのでクラスが違ってもお互いの近況は把握していた。

瑞穂に会いたい、っていう呪詛みたいな長文が届くから怖いので殆ど既読スルーだ。

マジ怖い菜々美ちゃん。


菜々美ちゃんと健人くんは同じグループで、対戦相手になった6&1年グループを蹂躙していた。

6年生の力いっぱい投げたボールをそんな簡単に受け止めちゃダメだと思う。

ほら相手のお兄さんショック受けてるから!いかにも体力自慢って感じの日焼け短髪ボーイが為す術もなくボールをぶつけられている。取ろうと頑張ってましたけどフェイントと捕球しにくい足元を集中攻撃。

菜々美ちゃんと健人くんは運動神経良かったんだね。幼稚園時代は全然気が付かなかったよ。


「みずほちゃん!おうえんしにきてくれたの?!」


「うん!菜々美ちゃん凄かったね!相手のお兄さん達泣きそうになってたよ。」


「あ!みずほちゃんだ。オレのカツヤクみてくれた?」


「見たよ!凄かったね!」


少し二人と話したあと瑞穂達のグループに戻ったら閉会式が始まった。移動時間が長い。学園が無駄に広いから。

学園長先生の長話を聞き流しながら思った、イベントの趣旨に沿っていたかは不明だけど中々楽しめたな、ってね。

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