11章 双子座
今日は休日。
特に予定がなく、することもなく、気がつけば意識がなくなっていた。
……意識がなくなってから、どれくらい時間が経っただろうか?
随分、永い時間のように思えたが、一瞬のようにも感じる。
部屋の窓から外を見るともう夕方だ。昼寝をしてしまったようだ。
意識が定まり、夢を見ていたことを思い出す。
そう、古い洋館で少女の幽霊と出会う夢だ……。
夢の終わりに「君のことは絶対に忘れない。何があっても忘れないから」と誓ったのを覚えている。
だが、あれは夢か……。
そういえば、最近そういう映画を観たな。たしか、館に住む幽霊の家族が自分達の家を守る内容の映画だ。
そうか、あの夢はこの映画の影響か。だけど、とても夢とは思えないリアルな感覚だった。あれが、夢だと思うと少し虚しさに襲われる。
あの少女が幻だったとは……。
夢だったのだから、誓いのことを忘れてしまえばよかったと思う。
だけど、このことは忘れずに大切に覚えておくことにした。
いつかきっと、このことを誰かに教える日が来るだろう。
不思議とそのことを確信してた。
そんなことを考え、今日も一日が終わる。
おやすみ……。
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