9章 獅子座

 今日は休日。

 10年ほど前に、洋館の夢を見てから、しばらく記憶に残る夢を見ていない。

 いや、見ているのかもしれないが、夢の内容が記憶に全く残っていない。

 今も残っているのは、あの古い洋館の夢と、僅かな夢だ。

 たいていの夢は、永くても一週間ほどで忘れていく。


 時の砂がどれだけ散っても、忘れられないような夢が少ないのは、少し寂しいことだ、と個人的に思っている。だから、そろそろ新しい、衝撃的で素晴らしい夢を見たい。永遠に忘れられないような、いい夢を。

 もしできるのなら、あの洋館の夢の続きも見たい。どうしても、あの夢のことが気になる。


 きっと、相方のテツガクちゃんも興味を示すだろう。

 彼女なら間違いなく「それはどういう夢ですか!?」と興味津々に訊ねるはずだ。

 その姿がハッキリと見える。

 

 そんなことを考え、今日も一日が終わる。

 おやすみ……。

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