7章 天秤座
今日は休日。
少し考えたいことがある。それは有限と無限についてだ。
永遠や無限という言葉にロマンを感じながらも、それがどういうものなのか。それを説明できないとは、嘆かわしいことだと思う。
僕は考え続け、小さな答えを見つける。
僕達が想像する無限や永遠は、『有限の世界が見せる幻想の錯覚ではないか?』という答えだ。
もし、本当にあらゆるモノが限り無く、無限にある世界では、当たり前だが『限りを計る時間』という秤は存在しない。
有限の時間が存在しないということは、無限の世界では全ての出来事が『永遠と同時に一瞬』であるということだ。
それは全ての瞬間が、変わらずにあり続ける、という感じだろうか。
僕達の有限の世界では、有限の時間の中で出来事は変化し続けている。もちろん、無限の世界も変化する。だけど、変化に時間は必要ない。全ての変化が一瞬で終わる。
その瞬間が無数にあり、常にそこにあり続ける。そんな世界ではないだろうか。
そして、僕達が想像する永遠の世界とは、きっと24時間の1日が永遠に続く世界ではないだろうか?
もしそうなら、これが『有限の世界が見せる幻想の錯覚』だ。
なぜなら、時間が存在しない無限の世界とは、0時間の1日が永遠に続く、ということだ。だけど、0時間の1日が何日あったとしても、それは0時間だ。永遠に『日付の限り』という限界を越えることがない。
全てのことが、0時間の中で行われる世界。それが本当の意味での無限の世界なのかもしれない。
そう考えた時、これまでずっと、僕が疑問に思っていた謎が解けた。
そうか、だから彼女はそう答え、僕はああなったのか……。
そんなことを考え、今日も一日が終わる。
おやすみ……。
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