第4話 かくれんぼ鬼ごっこ②
「あ。ごめん。自己紹介まだだったね。僕は嵐山賢太。よろしく。
で、こっちが吉川姫子さん」
「ん」
「君の名前教えてくれる?」
「あ?必要?」
「で、できれば…」
彼は、はぁ面倒くせぇと言って頭をがりがり掻いた。
「俺はカンナギ シイナ」
「かんなぎしいな?」
「そ。漢字までは面倒くせぇから言わねーぞ」
「あ、う、うん。えーっと…カンナギ君はここで何してんの?」
「なんで言わなきゃなんねーんだよ」
「ご、ごめん。ちょっと落ち着いたら普通の話したくなっちゃって…」
「別にいいけど、そういうしてる間にお前らのツレ、やべーんじゃねーの?あいつらまだループしてんぞ」
「それ!そのループって何??」
吉川さんが勢い込んで尋ねた。
「んー…いうなれば、別次元に迷い込んでんの。で、その別次元でぐるぐる回って出れないの。お前らもさっき体験したろ?」
「別次元…」
普段なら、そんなぶっ飛んだ話なんて信じないけど、さっき体験した僕らにはすんなり飲み込めた。
「じゃ、じゃあ田中君たちを助ける為にはどうしたらいいの?」
「お前らさ華子さんに何って言って呼び出したんだ?」
「え…“遊びましょう”って」
「それだよ。華子さんは遊んでんの。そのルールを守んない限りは無理だな」
「え。でも僕らは出てこれたじゃん」
「それは、俺がいたから。切り離したんだよ。アッチを」
とにかく、色々と聞きたいことはあったけど、今は田中君たちを助けることが先決だ。どうしたらよいか分からないから、カンナギ君に聞くことにした。
「じゃ、じゃあ遊んだら開放してくれるってこと?」
「んー…多分?」
「なにその不確定な答え」
吉川さんが普段の調子を取り戻してカンナギ君につっこんだ。
「しゃーねーだろ。俺だって華子さんと遊んだことねーんだもん」
「ちなみにさ、華子さんてハサミ持ってたじゃない?あれってさ…」
「捕まったら殺されんな。運が良けりゃ死体はコッチ側に戻ってくるんじゃねーの?」
「「えええええええ!!!!!殺されるの?!」」
「死をかけた遊びなんだ。当然だろ?」
事もなげに嘯く彼をみて僕らはしばし固まったのだった…。
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