『大海獣ハシラー』 後編その1


『そんなことがあったなあ。』


 昔を思い出しながら、兄が言った。


『おまえ、はしでつままれて、食われる寸前になった。』


『そうそう。そこで、ふくさしの、さら、おおもりを、あいつの口にほうりこんでやった。』


『うめ〰️〰️〰️。ぎわら〰️〰️🎵と、言った。』


『まさか、人間語をはなすとは、思わなかった。情報をくれてなかった。ぼくは、海に放り出されたんだ。』


『うん。でも、助けたろ。まだ、若かったんだ。なにがしかの、引っ掛かるものがあったんだ。』


『出世願望とか、忠誠心とか?』


『いやあ、あえて言えば、復讐心だな。使うだけ使って、ぽい。国家はそういうものだ。まあ、理屈は立てるがな。あんなもの、作った俺が、バカだな。』


『たしかに、そうだ。ばかげてる。ウィルスを兵器に使う研究は、よくあるだろうけど、映画じゃあるまいし。怪獣作ってどうする。』


『犬は、良く利用されるよ。はともね。』


『海獣には、しないだろう。』


『まの。しかし、おまえは、あいつと、仲良しになった。あいつは、おまえに会いに来たんじゃないか?なんでだ?』


『うーん。そこだ。じつは、酒のせいもあって、やくそくしたんだった。さっぱ、忘れてた。今年の今月今夜、また、いっしょに、ふくさしをたべよう。と。定年だし。 』


『ぶー!それで、きたわけか。』


『まさか、あいつに、年月の概念があるなんて、考えなかったんだ。』


『あいつには、正確な時計がある。じゃないと、戦争には使えないんだ。』


『そういう、情報も、くれなかった。』


『すまん。』



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ハシラーは、自分の方に向かってくる船をみつけ、海の上で、三回転した。


『ぶあわわわ、や〰️〰️〰️、ま、さん!』


 巨大船の汽笛のような、ものすごい声をあげた。


 海岸のビルが、その振動で、ぐらぐらと揺れた。


『ふく、さ〰️〰️〰️〰️し❗うめ➰〰️〰️〰️〰️‼️』


 と、付け加えた。


 ハシラーの前には、即席の、巨大な宴席が、ばんばん、しつらえられて、ゆくのであった。   



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



              つづく





  

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