『大海獣ハシラー』 中編その6

 『大将、たのむから、フルコースをバンバン作ってくれ。』


 『はあ? 怪獣にでも、食わせる気か?』


 『そおの通り❗さすが、察しが早いな。』


 『ぶっ😁💨💨そんなこと、あるわけなかろう。』


 『いいや。古代から、怪獣には、捧げ物をして、引いていただくのが、定石であるぞ。大将、同じだよ。』


 『やけに、自信あるな。若造のくせして。』


 『いや、やってみなけりゃ、わからないが。』


 35年前である。


 やまさんは、二人とも、まだ、若かったのだ。


 『よっしゃ。どうせ、おいらは、ここから、動く気はない。付き合ってやる。客も来ないだろうし。』


 『たのむ。おれの船を出す。』


 やまさん兄の漁港は、目の前にあった。


 

 『関門あけぼのデイリータイムズ』の記者は、二人が店に入るところを目撃した。


 そっと、入口から覗いていたが、いつのまにか、店内に入り込んでいた。


 『ああ、お客さん、今夜は、貸しきりだ。』


 『話しは聞きましたぜ。付き合わせてくださいよ。いい記事にしますから。宣伝になる。』


 『ぶんやさんか。おいらは、どうせ、構わないが、あんた、いやだろ。』


 『いや、死んでよければ、いいよ。ただし、手伝ってもらおう。あいつに、食われる可能性大だがな。』


 やまさん兄が、答えた。


 『あれは、なんですかい?』


 『見たままさ。ハシラーだよ。』  


 『は、ハシラー? なんだそりゃ。』



 防衛隊は、やまさんから、伝言ゲームのように伝わってきた、『うかつに攻撃するな!元防衛隊生物兵器プロジェクト担当官より、警告。』というメッセージを無視した。


 司令官は、そうした部署が、あった、いや、いまもある、ことは、知ってはいたが、無視したのであった。


 さらに、激しく攻撃が行われ、ハシラーは、怒り狂った。


 そこで、ついつい、大橋を破壊しにかかったのだ。


 ハシラーは、かなりの知性を持っている。


 まあ、幼稚園生並みではあったが。


 彼は、戦いたくて、出てきたのではなかった。


 ふるさとが、懐かしかった。


 甘えたかった。


 美味しいものを、いっぱい、食べさせてくれると、期待していたのである。


 期待が裏切られたら、誰しも腹が立つ。


 関門大橋は、ハシラーによって、バラバラにされてしまった。


 それは、さらに、防衛隊側に火をつけたのである。


 当時の、最新兵器が、到着した。


 新型多連装ミサイル砲である。


 映画のような、光線兵器は、まだなかったのだ。


 ハシラーは、さらに、怒り心頭に達した。


 それで、ついに、背中の物体を、二本とも、引き抜いたのである。


 あたかも、二天一流との、構えである。


 それは、後の、レイザーサイバー剣のように、白く輝いた。


 

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               ⚔️




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