第106話 ベトナム人女性とどんなデートを重ねてきたのか! 一部始終話す
後にも先にもベトナム人女性とのデート経験は、ベトナム人妻のトゥイだけとなる。トゥイとどんなデートを重ねてきたのか。今にして振り返ると、バイクのツーリングデートが多かったような気がする。
大抵トゥイの方から「バイクで散歩しないか?」と誘ってくる。トゥイが運転する後部座席に日本人夫の私が座り、バイクを走らせて2人は風となるのである。
ホーチミンでは行ったことのない場所にバイクで行き、他愛のない会話をして、決して高級料理店ではないけれど、お店に入っていっしょに食べる。
ホーチミンのイオンモールや高島屋に行き、デパートの中をぐるぐると回る。店内で食事をする。同じもの見て、感じて、時にはケンカして、その後、仲直りしてケタケタと笑い合う。そんな日々であった。
よく映画やドラマの世界では思いっきりオシャレをしてデートを楽しむなんてあるのだけれど、私もトゥイもクロッグバンドのようなタイプのサンダルをはいて歩く。
それはもう生活臭がにじみでるような感じのデートであった。ただ、さすがに私がジャージのズボンをはいてトゥイといっしょに出かけようとした時は「ジャージはやめて!」と言われた。
私はベトナムではたくさん着る服があるわけではないので、同じような服を常にローテーションで着ていた。かろうじてトゥイの方が着る服はたくさんあったという感じだ。
ホーチミンからベンチェの実家に到着した際、替えのパンツがなくて、トゥイのパンツを私ははいたことがあった。それも一度や二度ではない。
ホーチミンでもベンチェでもそうなのだけれど、夜の公園は恋人同士のデートの場所となる。夜、トゥイとバイクデートをしていた時、公園を見ると一定の距離ごとに恋人たちが場所を陣取り、愛を語り合っていた。きっと、ベトナムではそうやって恋人同士が愛を育んでいるのだろう。
私もトゥイもカラオケであまり歌ったりしないタイプのためカラオケデートはしなかった。その代わり、食べることには貧欲で、行ったことのないお店を新規開拓した。お気に入りのお店は、機会があったら2度、3度行ったのである。
今にして振り返れば、ただ、2人は行ったことのないところへ出かける。それだけでよかったのだ。それにトゥイは地方都市のベンチェ出身のため、大都会のホーチミンのことは何も知らない状態だった。
2人してホーチミンを探検しまくったのだけれど、それがもうちょっとした一大イベントになった。ささやかなことで喜んでくれるトゥイの姿を見て私も嬉しくなった。
私とトゥイのデートは一例であり、誰しもが思い描くデートの形ではないのかもしれない。でもね、2人で見て、感じて、楽しんだ想い出の断片はYouTubeに記録として残してある。
牛が反芻するように、あの時、こんなことあったよねと振り返ることができるのだ。つまり私が言いたいのは、どんなデートを重ねてきたかは、だいたいYouTubeに載せているということ。
さいごに、私が初めてベトナムにやってきてトゥイに言った言葉がある。
「私はベトナムのことは何も知らないから、どこも案内できないよ。でも、日本だったら私は詳しいから、いろいろなところに連れて行くことができるよ」
そしたらトゥイは「分かった。ベトナムはトゥイが案内するね」と答えた。
しかし、残念ながらトゥイはホーチミンのことは何も知らなくて、最終的には私がインターネットであれやこれやホーチミンのことを調べて、Googleマップアプリで案内したのである。
まぁ、どんな形であれ、2人が楽しめたのだから結果オーライである。これから先、日本人がベトナム人とデートするケースは増えていくと感じている。
どこにデートしにいくか悩むのならば、きっぱりと相手に「自分はベトナムのことは何も知らない。どこに行くのがいいか?」と単刀直入に聞くのもいいかもしれない。私はそうしてきたので、デートでどこに行くか悩んだことがないのである。
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