第46話 ベトナム人はカラオケするのが大好き。通話中に乱入するのもあり!?

 日本人男性の私とベトナム人女性のトゥイがSkype通話した時だ。


 受話器から何やら歌声が聞こえてくる。


 しかもびっくりするぐらいの大音量である。


私:家で誰か歌っているの?


トゥイ:隣の家がカラオケしてるよ。


私:隣からなのか。てっきりトゥイの家で家族が歌っているのかと思ったよ。


トゥイ:いや、違うよ。日本と違ってベトナム人は大きな音(声)だすよ。


私:日本で大音量で歌った日には、もれなく苦情の電話やチャイムがあるよ。


 たしかに私とトゥイが通話中、トゥイは時折、家族に呼ばれてベトナム語で話すのだが、舞台役者かと思うほど、声のボリュームは大きかった。


 しかし受話器に戻ったトゥイは声のトーンを下げて私とまた日本語で話すのである。私はベトナム語と日本語で声の音量のボリュームを変えるトゥイの姿を見て、ジキルとハイドだなと思った。


私:ベトナム人は歌うの好きなのか?


トゥイ:好きだよ。妹はカラオケするの好きだね。


私:そうなんだ。じゃあ、トゥイも歌うの好きなのかな。ここで何か歌ってみて?


トゥイ:いや、トゥイは恥ずかしいだよ。トゥイは歌わないよ。


 いくら私がストーカーの如く、しつこくトゥイに歌え、踊れとお願いしても、トゥイの答えはノーであった。 毎回、通話中にトゥイの家族の話し声や騒いでいる声が聞こえるのだか、私からすると他にも不思議なことがあった。


 それは私と通話中のトゥイに対して、普通に話しかける家族の姿があったのだ。日本ではおそらく通話中の相手に話しかける人はあまりいないと思われる。


 しかしベトナムでは、お構いなしに通話中の者に話しかけるのが普通なのかもしれない。たしかに隣の家が大音量でカラオケをしていても気にしないのがベトナムであるのならば、相手が通話中だろうと気にしないのもまたベトナムなのかもしれない。


 ちなみに私はトゥイと通話中に高確率で家族の誰かがトゥイに話しかけるため、そのような状況に慣れてしまった。


 なので今後も私とトゥイの通話中に家族が乱入するのは大歓迎である。


 さいごに、あくまで私の仮説であるが、私とトゥイが日本語で通話しているため、家族からすると摩訶不思議な言語を話す者たちに見え、家族からしたら2人は何をしゃべってるか分からないし、まぁ、通話中に話しかけてもいいよねってなったのかもしれない。


 あくまで仮説ではあるが。

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