第47話 カラオケ嫌いのベトナム人彼女が歌った。まるでクララが立ったようだ!

 ベトナム人女性のトゥイはカラオケ好きのベトナム人たちが多い中、唯一、「私は唄わない」と言い張る。


 いくら日本人男性の私が「ねぇ、歌ってよ。歌ってくれよ」とおねだりしても、頑なにトゥイは歌うのを拒否するのである。しかたない。


 中年男性がおねだりしたところで異国の若い女性からしたら、日本のアニメのように萌え要素は全くない。キモいだけだ。しかたないのである。


 あれはトゥイと通話中、トイレに行った時のことだ。

※これより先は下品な内容も含みます。閲覧注意です!



 トイレで爽やかフローラルの香りを漂わせ、スッキリした私はトイレを後にした。


トゥイ:あなた!たくさん、でたか?


私:でたよ(ベトナムでは女性が男性に対して、たくさんでたか?と聞いてくるのかよ)。


正直、あっけらかんとでたか? と聞いてくるトゥイにびっくりしたが、この時、何故かは知らないが、私は今この瞬間、歌う時がきたと感じた。



そして、



私:でるでる~♪ う○こでる~♪ でるでる~う○こでる~♪ でるでる~♪ う○こでる~♪ でるでる~う○こでる~♪


と歌い始めた。トゥイは「でる」と「う○こ」の日本語の意味が分かるのでゲラゲラ笑いだした。



そして、



トゥイ:デブ、デブ~♪ デブ、デブ~♪ デブ、デブ~♪ デブ、デブ~♪ デブ、デブ~♪ デブ、デブ~♪


 と歌い始めたのである。もちろんデブ=私のことを言っているのだろう。しかたがない。


 いつになくトゥイのテンションが上がっている。「でるでる~♪」と「デブ、デブ~♪」の協奏曲は続いていく。


 しかもあれだけ頑なに歌うのを拒否していたトゥイが、実に楽しそうに歌ったのだ。私とトゥイは面白いかは別として冗談を言いあい、笑いあう。


 私はたくさんのベトナム人と話したことはないが、ベトナム人は冗談を言ったり、面白いことをするのが好きなのかなと思う。そんな国民性を持っているのかもしれない。


 いつか私とトゥイがベトナムで、 「でるでる~♪ う○こでる~♪ でるでる~♪ う○こでる~♪ 」 「デブ、デブ~♪ デブ、デブ~♪ デブ、デブ~♪ 」 みたいな禁断のアカペラデュエットソングをベトナムでひろうする時がくるかもしれない。


 もちろん日本語が分からないベトナム人からしたら、どんな意味の歌か分からないだろう。日本語の分かる人たちからしたら、こいつらどんな歌を唄ってんだよ。バカじゃねぇの? 頭おかしいんじゃねぇの? と思うことだろう。


 トゥイが歌いたがるかは別として。



 でるでる~♪  でるでる~♪ デブ、デブ~♪ 

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