第42話 ベトナム人彼女が無職じゃなくなった。脱ニートおめでとう!

 あくまで日本人同士の話になるが、彼氏彼女がどんな職業なのか。収入がいくらなのか。将来、結婚を意識している場合は気にされる女性が多いのではないだろうか。


 日本人男性の私は学生をしているので安定した収入があるわけではない。保証のない生活をしている。そんな状況をベトナム人女性のトゥイに話しているが、トゥイは特に気にしていないみたいである。


 ベトナムのお国柄がそうさせているのかもしれない。


 トゥイは以前、私に「相手がお金持ちじゃなくてもいい。貧乏でもいい。愛があるのが大事だよ!」みたいなことを言っていた。


 私とトゥイは毎日LINEで連絡を取り合っている。私がLINEの返事が遅かった場合は、トゥイが妄想を膨らませ他の女と会っているんじゃないかとか、誰か他の女と電話しているんじゃないかと疑われたことがあった。


 私は寝る時にスマホを消音にして睡眠を邪魔されないようにする場合が多々ある。起床後、私がスマホを音ありにするのを忘れていて、トゥイからのLINEに気づかなかった時もあった。


 トゥイから何度もLINEメール及び、着信連絡があり、しまいには「あなたはどこへ消えた! もうトゥイのことは気にしなくなったのか?」と泣いているアイコンが送られてきた。


 しばらくして私はトゥイからのLINE着信に気づき、メッセージを読んでびっくりしたことは言うまでもない。それほどまでにトゥイの嫉妬深さも含め、愛情いっぱいなのかなと感じている。


 また、トゥイ自身、将来、服や化粧品を売るお店をやりたいみたいなことを言っていた。そのためには商品を買う資金が必要なことも言っていたので、ある程度、資本金を貯めてから開始するのかなと私は思っていたのである。


 しかし、先日、トゥイは「服を売り始めた」と言ったのである。


私:え? どういうこと?


トゥイ:ネットで服とか化粧品売るよ。注文があったら、相手がトゥイの近くに住んでいたらバイクで届ける。遠かったら郵送する。商品をトゥイが買う必要はないから、資本金いらないよ。


私:そうなんだ。


 私は内心、ネットとは言え、もうお店を始めてしまったのかと驚いた。 例えばAという商品があって、トゥイ経由で注文がある。そしたら売り上げの何%かがトゥイに入るしくみみたいである。


 そして、驚くべきことに開始して間もないのに注文があったみたいだ。トゥイは注文があったことに喜び、何度も私に「物が売れたよ。嬉しい。本当に嬉しい」と言ってきた。


 トゥイはニートを脱出し、小規模ながらも仕事を開始したのである。ベトナム人は日本人と比べるとネットをしている時間が長い。当然、ネットで商品を閲覧する率も高いのだろう。


 私にしても、ほとんど買い物はネット注文することの方が多くなった。特に書籍に関しては、本屋で見つける時間や手間を考えた場合、Amazonや楽天市場を利用し、求める商品を検索して手っ取り早く購入した方が時間を有効に使えると思っている。


 もちろん、本屋でじっくりいろんな本を眺めるのも好きではあるが、毎回、本屋を利用することは正直、少なくなってきているのが現実だ。


 また、なるべく部屋をシンプルにしたい思いもあり、本はなるべく電子書籍で購入するようにもしている。つまり、ネット注文する率が私も高いのである。


 ベトナムがどのような状況か分からないが、今後、ネットで買い物するのは日本と同じように当たり前になっているのではないかと思った。


 たしかに、私がベトナムのホーチミンで日本人が住む場合、家賃がどれくらいなのか調べた時はネット経由からであった。その時に、ホーチミンには日本人街と呼ばれるところがあり、日本人向けのサービスアパートがあることをネットで知った。


 家賃も5万円からあることも知った。それもこれも全てはネットで仕入れた情報である。また、私とトゥイが出会うことができたのもネットがあったからだ。


 外国人と出会えるところで知り合うことができた。そう考えるとネットって凄いなと感じたのであった。


 さいごにトゥイ! 脱ニートおめでとう!

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