第10話 ポケモンGOで死なないでとベトナム人女性は言った

 全世界を巻き込み、絶賛ポケモンGOが大人気中である。


 日本の女性が、ポケモンを捕まえようと路上でカメラを向けていたら、盗撮されていると勘違いした男性が、「撮るんじゃねーよ!」と女性に暴行を加えたり、ポケモンGOをやりながら歩きスマホしている女性のバッグがひったくられたり、それはもう大変なムーブメントが日本で起きている。


 一方、先行してポケモンGOが配信されたアメリカでは、ポケモンGOをしながら住居不法侵入をしてしまい、射殺されてしまったり、ポケモンGOに夢中になって崖から転落して亡くなってしまったらしい。


 ポケモンGOで人間が亡くなるニュースは、バイク大国であるベトナムでも大々的にテレビニュースになったみたいだ。そして、ポケモンGOをやる時は注意してねと注意喚起があったみたいだ。

※ベトナム人女性のトゥイから聞いた。


 私はポケモンがベトナムで人気なのを知らないでいた。


 気になることは聞いた方がいいといううことで、トゥイにLINE電話したのだった。


私:ピカピカッ。ピカチュウだよ~。


トゥイ:ポケモン?


私:ポケモン知ってるの?


トゥイ:うん、知ってるよ。ポケモンはベトナムでも人気だよ。


私:そうなのか。じゃあ、ポケモンGOって知ってる?


トゥイ:うん、知ってるよ。ベトナムのニュースで観たから。


私:そうなんだ。ポケモンGOやっている人もういるの?


トゥイ:英語できるベトナム人はポケモンGOやってるよ。


どうやらベトナム版のポケモンGOの配信はされていない状態だが、英語のできるベトナム人たちは、英語版のポケモンGOをやっているみたいだ。


私:ポケモン探しで、ポケットモンスターのトゥイをゲットしにいこうかな。


トゥイ:えー、トゥイがモンスターなの?


私:うん、トゥイを見つけたらボール投げてゲットするよ。


トゥイ:えー、やだー(笑)


 なんて、ポケモンGOジョークを話し、私とトゥイは無邪気に笑い合った。


 日本で生まれたポケモンがベトナムでも人気になる。まさかポケモンの話題で、トゥイと話せるとは思いもしなかった。


私:ポケモンGOは気になるけど、ゲームすると大変な気がする。歩きスマホとか危ないしね。


トゥイ:そうだよ。ポケモンGOやらないで。あなたがポケモンGOやって亡くなったら、トゥイ悲しむよ。


私:ポケモンGOで人が亡くなったんだよね。


トゥイ:うん、ベトナムのニュースでやってた。


私:ポケモンGOの社会現象やばいな。


 トゥイはベトナムのニュースでポケモンGOプレイ中に銃で射殺されたり、崖から転落してしまう事故で亡くなったニュースを見ていたのである。


 日本にいる私がポケモンGOをやることで、予期せぬ事故に巻き込まれることをトゥイはとても心配していたのだ。


トゥイ:だから、お願いだからポケモンGOやらないで。あなたが亡くなったら、わたしどうするの?


私:分かった。ポケモンGOやらないよ。でも、、、


トゥイ:でも?


私:トゥイモンをやるよ。


トゥイ:トゥイモン?


私:トゥイというモンスターを日本人の私が捕まえにいく。


トゥイ:えー、わたしモンスターなの?


私:うん、モンスターだからヒョウ柄の服着てね。


トゥイ:嫌だ。


 あっさりとトゥイに断られてしまったのであった。そりゃそうだよね。ヒョウ柄の服を着たモンスターにはなりたくないよね。


 でも、女の子が動物柄の服を着ると可愛いと思う。ヒョウ柄の服とかね。


 ベトナムでもポケモンが大人気なのは知らなかったよ。

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