第2話 出会い系サイトのようなところでベトナム人女性の電話番号をゲット

 ベトナム人のトゥイは20代の女性だった。日本人男性の私とトゥイは外国人と出会える昔で言う文通のようなところで知り合った。


 私は英語が話せない旨を正直にトゥイに告白し、Google翻訳機を使って会話している。


「英語が話せないけど、それでもメッセージ交換してくれますか?」と質問するとトゥイは「大丈夫ですよ」と返事をしてくれた。それは英語が話せない私にとって天使が舞い降りたような嬉しい瞬間であった。


 私は外国人と出会える昔で言う文通のようなところを長く利用する気はなかった。1ヶ月だけ有料会員になって退会しようと決めていた。

※実際に1ヶ月のみしか入会しておらず、金額にして飲み会や合コン1回分の費用しかかかっていない。


 私は多くの外国人女性と出会うことを望んでいない。英語ができない私でも構わない。それでもいいと言ってくれる外国人女性を望んでいた。


 ベトナムは日本語が第一外国語として選ばれ、ベトナムの小学校で日本語教育を始める計画がある。


 英語学習もベトナムでは人気だが、日本語学習も人気の語学みたいだ。たくさんの日系企業がベトナムに進出しているから、日系企業に勤めるために日本語を学ぼうと考えているベトナム人もいるのだろう。トゥイは私に言った。


「少し日本語分かるね」


 トゥイの発言はまさしく追い風であった。私は運がいいのかもしれない。


 外国人と出会える昔で言う文通のようなところの有料会員の期限が切れてしまうとトゥイとは2度とメッセージのやり取りができなくなる。それは悲しすぎるので私は意を決してトゥイに聞いた。


私:私はもうすぐ有効期限が切れてあなたとメッセージの交換ができなくなります。あなたはLINEか何かやっていますか?


トゥイ:はい、やってますよ。


私:じゃあ、LINE教えて?


トゥイ:○×△-○×△-○×△


トゥイは電話番号を教えてくれた。しかし、私のLINEは年齢認証をしていないためLINEのIDや電話番号から登録できないのだ。


私:LINEのQRコードの画像送れますか?


トゥイ:??? 送れません。残念ですね。


 私は英語で分からないことがあったら検索で調べることにしていた。分からないことがあったら調べればいい。その調べ癖のおかげでベトナムにはLINEのような人気のアプリがあることを知っていた。


 Zaloというアプリで、ベトナムではLINEよりも人気のアプリみたいだ。


私:トゥイはZaloやってますか?


トゥイ:やってます。


私:分かった。


 私はZaloのアプリをスマホにインストールしていたので、トゥイに教えてもらった番号を入力し友達申請した。すると、すぐにトゥイから友達申請が承諾された。


 私とトゥイはZaloで繋がったのである。トゥイは私に向かって言ってきた。


「Zaloで友達登録した日本人は、あなたが初めてです」


 2016年5月28日、私はトゥイとZaloで繋がることに成功したのである。


 すでに時間は午前1時を過ぎていた。日本とベトナムの時差は2時間。ベトナムは23時になっていた。


トゥイ:もう1時30分だけど、寝ないと仕事大変だよ。


私:私は学生だから、まだ大丈夫だよ。


 私は学生である旨をトゥイに告げた。それから他愛のない会話をしたのだが、トゥイがLINEのプロフィール画像を送ってきた。


 私はその時、もしやと思って口走った。


私:LINEのQRコードの画像も送れる?


 するとトゥイからLINEのQRコードのスクリーンショットの画像が送られてきたのである。そして私とトゥイはLINEでも繋がることに成功した。


 以降、私とトゥイはZaloで話すことはなくなり、LINEメインで話すようになった。日本の男性とベトナムの女性が、それぞれ生まれ育った場所や環境が違うのにLINEで繋がっている。


 日本とベトナム。あんなにも遠く離れているのにLINEのメッセージが一瞬で届く。メッセージをLINEで一瞬で送ることができる。


 この日の私は、国境を越え、凄い時代になったんだなと改めて思った。

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