Ishikawa Family国際結婚物語

石川パパン

第一部・ベトナム人女性とネット恋愛編

第1話 ベトナム人女性とインターネットで知り合ってネット恋愛するなんて

 40歳を過ぎた日本人男性の私は、このまま自分は結婚できずに年を取っていくのではないか。寂しい老後を迎えるのではないかと心配していた。


 ある日、お酒を飲んでいた父親からは、「将来、子供の顔が見たい」などとぽつりとつぶやかれたこともあった。


 明らかに私に聞こえるようにつぶやいた父親の願望であった。私は聞こえないふりをして、その場をやり過ごした。


 それは母親といっしょにテレビを観ていた時に男女のラブシーンが突然始まり、いたたまれない気持ちになるような感じだった。


 そそくさと部屋に戻り、たまたまテレビのニュース番組を観ていると40歳以降の男女が結婚できるのは1%の確率で絶望的みたいなことが語られていた。


「お前までもがそんなことを言うのか」とテレビのリモコンの電源を力強くOFFにした。それが唯一の私の抵抗であった。私は若い頃から外国人女性と結婚したい願望があった。


 何故、外国人女性に興味を持ったのか。それは私が元々、香港映画が好きで青春時代は香港映画ばかり観ていたのもある。


 香港の男優や女優のマニアックなぐらい知っているし、わざわざ香港から映画雑誌を取り寄せていたほどだ。


 私の現在のプロフィールだが、40歳を過ぎて学生をしている。資格を取得するための学校に通っているのだ。まさかこの年になってまた学生をすることになるとは思いもしなかった。


 でも、資格を取得するためには学校に通う必要があった。資格は海外でも使える国があるみたいでインターネットで調べてみるとベトナムでも使えそうな感じだった。


 実際、その資格を持ってベトナムで生活している日本人もいるようだ。ベトナムは親日国で日本人は好かれているらしい。


 私にしてもベトナム関連の映画は観たことがあるし、ベトナム映画の「青いパパイヤの香り」は青年時代に観たことがある。


 また、ベトナムの小学校で第一外国語に日本語が選ばれ、今後、日本語をベトナムの子供たちに学ばせる教育体制であることをネットで知った。


 私が老後を迎える時、ベトナムでは第一外国語で日本語を学んだベトナム人たちがベトナムにいる状態になる。日本語が英語のように第一外国語になるなんて凄いよベトナムと思った。


 そんな矢先、私は外国人と出会える昔で言う文通のようなところを知った。もうひとりの自分が直感的に登録してみろと囁いた。


 分かった、登録してみるよ。


 興味本位で会員登録をし、1ヶ月だけ有料会員になることにした。費用にして飲み会や合コン1回分の費用である。


 日本語以外、外国語がまったく話せない私が、外国人と交流を持つなんて不可能だと思われたが、ドラえもんの七つ道具ではないけれど、今はGoogle翻訳機がある。


 ドラえもんのほんやくコンニャクではないけれど、翻訳機に頼れば言葉の壁は大丈夫かもしれない。根拠のない大丈夫が私の頭を支配した。結局、私は有料の会員登録をした。それが2016年5月の出来事であった。


 Google翻訳機を駆使し、外国人の女性とメール交換をしたのだけれど、翻訳機は正確ではない。きちんと訳してくれない時もあり、相手が何を言っているのか分からない。


 また、私が日本語からGoogle翻訳機で訳した英語が相手からは何を言っているか分からない、伝わらないことが度々あった。この時ばかりは、若い頃にもっと英語を勉強しておけばよかったと後悔した。


 私はあまりの自分の英語力のなさに絶望を感じ、しだいに「私は英語が話せません。それでもいいですか?」とあらかじめ相手の外国人に先手を打って聞くようになった。


 英語ができる人は簡単に外国人と出会えるでしょう。楽しくおしゃべりもできるでしょう。私は語学の階級社会ではもっとも底辺に位置していた。


 日本語オンリーなので外国人と出会えるのは困難、絶望的であった。それでも捨てる神もいれば拾う神もいる。40代の私は20代のベトナム人女性のトゥイと出会うことに成功したのである。


 そして、まさかネット恋愛でベトナム人女性のトゥイに恋してしまうなんて、この時の私は思いもしなかった。

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