11
会場の扉を少し開けて司会者を見ると、私に気付いて目配せしてくれる。
さあ、そろそろ出番だ。
私は小さいこしょこしょ声で、子供達に向かって言う。
「みんな、準備はいいかな?」
「はーい!」
子供達もちゃんとこしょこしょ声で応える。
ちゃんとわきまえてる子供達は本当に偉い。みんな目が真剣だ。
「うさぎ組さん頑張るぞ、」
『えいえいおー!』
会場では、事前に録ったうさぎ組の子供達のお祝いの歌が流れ始めた。これは保育園で、朱里ちゃんが休みのときに内緒で録音したのだ。今日来れない子たちもここにはちゃんと参加している。
それだけでボロ泣きしはじめる朱里ちゃん。
見ているだけでこっちまで目頭が熱くなってくる。
「本日は朱里さんにもうひとつプレゼントがあります。」
司会者の言葉と同時に扉が開き、私は子供達と一緒に会場に入った。
音楽が流れ始め、子供達の元気で可愛い歌声が会場いっぱいに響く。
『あかりせんせい、ごけっこん、おめでとうございます!』
可愛くて元気いっぱいの子供達に、拍手喝采だ。
朱里ちゃんは泣きすぎて直樹さんに背中を擦ってもらっている。そんな姿を見るだけで、こちらももらい泣きしてしまう。未菜ちゃんと目が合うと、彼女も瞳をうるうるさせていた。
これはサプライズ、大成功だよね。
とても素敵な結婚式。
いつか私もそんな素敵な結婚式を挙げたいなぁなんて心密かに夢を膨らました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます