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「もう、解除して良いぞ」



「ぷは~~っ!なんか途中から息止めちゃったよ…」


「息はしててくれ。だが、とても上手だ。」


「ありがとう~なんとか出来て良かった~」


「大体1週間くらいでコツは掴める。

毎日これを何度か実践してみてくれ。

その内、自然と常に魔力循環が出来る。

魔力循環が出来れば、自ずと魔力操作がしやすくなる」


「うん!分かった!

座学の時にも思ってたんだけどゲイルは教えるのが上手だね」


「そうか?」


「とっても分かりやすいよ?

書いてくれたものも凄く見やすかったし」


「…ありがとう」



『良かったのぅ。やりたかったのであろ?』


「そうなの!アレンもありがとうね」


『我は見ておっただけだがな。頑張ったのはマリーじゃ』


「へへ…嬉しいな…。私、頑張るね」


「あぁ、だが無理は禁物だぞ」


「うん、約束する」



なんだが慣れない事をしたのでドッと疲れてしまった。

周りを見ると、いつの間にか時間が経っていたので皆で家に帰った。






家の前まで来ると、呼鈴の所に綺麗な青色の蝶が居た。



「早いな。王国からの使い魔だ」


と、ゲイルが説明してくれた。

私達が近付くと、ゲイルの元まで漂ってきて目の前でシュルシュルと解け、1枚の紙になった。


『次の土の日にて、王城へ来たれ』




なんて、ファンタジー。

魔法の世界。

使い魔さん、まさかのSNS。

今日中に来るだなんて思わなかった。


ゲイルがゴーダ商会に送ったのもこんな感じだったのかな?と、関心して見てしまった。


「次の土の日らしいぞ」


「うん、凄いね。これが使い魔?」


「そうだ。これは、伝令用の使い魔で専用の魔道具を使う。

相手をイメージして紙に文字を書き、魔力を送ると

この様に相手に届く使い魔となる。

人によって使い魔の姿は異なる」


「へぇー!面白いね」


「俺のは鳥だ」


「鳥?」


「紺のインクを使うので紺色の鳥になる。出来る所を見てみるか?」


「うん!見たい!」



家に入り居間でアレンと待っていると

ゲイルが部屋からペンと木箱を持って来た。


「紙の方が魔道具だ」


そう言って、ゲイルは木箱の中から1枚紙を出した。

そしてサラサラと文字を書き魔力を注ぐ


すると、紙が折り畳まれながら紺色の鳥になった。


「うわー!凄い!

本当に紙が使い魔になるのね!」


感激していると、その紺色の鳥は私に向かって飛び

私の前で解けた。




「え?」


慌てて紙を取ると


『マリー、1年宜しく』


と短く綴られていた。



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