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「では、魔力循環及び魔力操作について教える。

今日は実践だ。これらは大体10歳くらいから学園や、師そして親から教わることだ」


「宜しくお願いします!ゲイル先生!アレン先生!」


『うむ』




「…早速だが………。ここに手を乗せて欲しい」


そう言って少し躊躇いがちにゲイルは両手を出した。



「ふぇ!?」



【ここ】というのはゲイルの手のひらの上の事ですよね?

びっくりし過ぎて、変な声出た。


だが、ゲイルは真剣そのもので両手を出しているので

恐る恐る手を乗せた。



「…温かい?」


何も考えない様に、空気中の窒素を数えていると

ゲイルから何か温かいものが流れてきているのが分かる。


「流れているのが分かるか?これが魔力。


「これが…魔力」




私の腹部を目指して体内を温かいものが巡る


「マリー、腹部辺りに流れて行っているだろう?

そこが魔力循環の源だ。自分の魔力もそこに有る。」


そう言ってゲイルは手を離した。



「イメージが大事だ。

まず腹部に手を当てて、血が巡る様に循環させる。」


「こう…かな?」


ゲイルに言われた通りにすると

お腹からジワジワ何かが湧き出て来た。


「そうだ。上手いな。

それを膜の様に全身に張るんだ。

薄い膜を全身で包むイメージで」



イメージ、イメージ。

卵の薄膜かな?あんな感じで……


中々難しい…不安定なのが自分でも分かる

集中して徐々にだが張っていく



「その調子だ、薄く全身に行き渡る様に」



なんとか頭から足、手の先まで包む事が出来た。


『出来たのでは無いか?まだ、強弱が不安定に揺らいでおるが。

初めてにしては上手く出来ておるぞ』


「本当?出来てる?」


自分でも張れている事は分かるが

ずっと集中している状態なので中々しんどい。


「出来ている。今度はそれを部分的に流す。

マリーの場合は手だな、手にそれを集中させる」


「ん~~………。こ、こんな感じかな」


額に薄らと汗が滲む

手に魔力を移動させようと自然と力んでしまう。


「もう一度手を置いて?」


「はいっ」



集中している為素早くゲイルの手に、自分の手を重ねる。



「うん、完璧」


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